2011年9月1日

結成20年記念公演レヴュー!(本番編)

いよいよ20周年記念演奏会当日。 去年の「20」で「もうこれ以上のパフォーマンスはできない!」と引退をひそかに決意した僕ではあったが・・・さて今年は。

2.3日前に首を寝違えたり、仕事が片付かなかったりでブルーだが、行きの電車で須田・粕川君神大コンビに会って、馬鹿話をしてリラックスできてよかった。葛飾につくとすぐセッティング開始。今日もいろいろな人たちがお手伝いに来てくれている。ありがとう! セッティングは去年同様オケピをふさいで完了。
早速練習。あまりがんばりすぎず、出だしのチェック中心。ただしこれを結構しつこくやる。

想定内だが天井が高いので他パートの音が良く聞こえない。普段から指揮を見ることである・・それに尽きる。客席で聞いてみると、響きはとてもきれいだ。ただ速い曲の輪郭がぼやける。まったく去年と同じ事を言っている。つくづく懲りない・・・。

マリオネットのお二人が見えて、リハ開始。この日僕にとっての最大の心配は2部のトーク。湯浅さんのプロのしゃべりにほとんどお任せ状態である。 あとは本番までくつろぐ。2部の練習を省略してしまったせいか、余裕がある。マリオネットさんや賛助さん、団員たちと雑談しながら開演のその時を迎える。スペシャルゲストがいるので想像はしていたが・・・1階席2階席とも超満員!ありがとうみなさん!


さて、実演のときの印象はそのときの自分の位置や、感情に左右されるため、去年同様、録音を聞いて冷静にレヴューしてみよう。 何しろ録音ほど事実を伝えてくれるものは無い。うまくできたつもりがそうでなかったり、その逆ですごく良かったり。

特に深い意味は無いが今回はあえて今回限りの10点満点で点数をつけちゃおう。もちろん曲の価値と関係なく、奏者が心を合わせ、表現の輪郭がはっきりし、聴衆の印象に残る「よい演奏」かどうか。 早速上がってきた録音を聞く。。。

1部
プレリュード4
実演のときの印象はまだホールとなじめず、音とリズムがスカスカな感じがしたが、録音を聞いてみると、冒頭andanteはすばらしい響きではないか。ちょっと節回しが硬いが吉水節が美しい。
Allegroも、演奏中は周りの音がほとんど聞こえず指揮だけであわせているのはかなり不安であったが、録音では良くあっていてかなり細部まで音のディテールがきちんと聞こえている。

小川君の音楽はちょっと硬いが、その目的は細かいディテールをきれいに聞かせようとしているところにあると思う。つまり理数系なのだ。同じ曲を僕が振ると、主旋律重視の文系メロメロの音楽になる。 だからAllegroはかなり安心して聞ける。気合の入った轟音。いいです!
後半は吉水先生特有の豊穣な弦のうねりが、果てしない稲穂の波を見ているよう。 最初でちょっと硬いから8点


トッカータ・古代舞曲
この曲に恋して久しい。今回は速度を抑えて、やはりディテールを丹精に見せる作戦に出た。中間部の古代舞曲のマンドリンが呆然とするほどきれいである。雅楽のような管の和音がうなるほど美しい。今回パーカッション初演だが、僕にとってはまるでこれがデフォルトである。特に最後、パーカスの為の曲のよう。
もう少し決めの部分で息があってほしかったのと個人的にはもう少し速い方が好みだが重戦車のようなドライブ感もまた良し。 8点


幻想曲1番
小川君は一番振りやすい曲だったろう。師匠直伝だし。冒頭からして気合が違っている。縦の線もあってマンドリン・マンドラソロもすばらしい。3連もいい。軽さは無いが、適度な重みが慣性の法則そのままのドライブ感を出している。管楽器も良く歌っている。後半に行くにしたがって疲れるどころか集中力が増し、どこまで行っちゃうの?という感じだ。 マンドリンは雄弁である。ときどきバラバラッとなるが90人でこれだけそろえば奇跡である。豪速だが芯ははずさない。最後全パートの叫びが伝わってくる。快演! 9.5点


2部
リスボンの恋人たち
いきなり雰囲気はラテン。パーカスの活躍が目覚しい。よく聞いていると譜面にないことをいろいろやってくれていますね!面白い! 2NDのメロディ、歌いまくっている。素敵。ドラもよく歌っているがせっかくなのでもう少し聞こえたいか。1STもはねまくっている。リズム隊、全体に安定してそつが無い。メロディが取れたての魚のように新鮮。奏者が楽しんでいるのがよく判る。8点

花便り
これも、最初少し硬いのだが、後半ほど音色がまろやかになった。アレンジがすばらしいのだろうが、後ろに行くほど音楽の広がりがすごい。華やかな印象の演奏となった。先に行きたいという焦りと慣性の法則で後ろに残りたいという気持ちのちょっとした齟齬がある。けれど響きは極上。 7点

ここでマリオネットの紹介、YASUKOさんとからむが流れでギロッポンのねたがでない!結構あっさり紹介してしまった。ダメだ緊張している! ギロッポンのネタとは、六本木のライブの出演団員選出のとき身長体重ルックスのオーディションを行ったので自分は落ちてそれに出られなかった(無論冗談)というネタ。湯浅さんはつくづくしゃべりのプロである。何にも無いゼロから話を盛り上げてまだ固いお客さんを笑わせてしまう。この力は本当に何なのだろう・・・。

さて、航海王子
全体に呼吸が浅くちょっと前に転んでいるが、勢いは買いたい。サビは熱い!喜望峰の波濤が見える。 後半・・・湯浅さんの、弦楽器とは思えない嘆きの歌声のようなソロに聞きほれていて、僕は最後の最後でタクトミスを犯してしまう!ソロの終わりのリットとフェルマータを忘れたのだ!だが湯浅さんも団員も一瞬だけ戸惑いの表情を見せただけで、いつもどおり演奏してくれた・・・。録音で聞いているともちろんそれとはまったく判らない。湯浅さん、みんな、ありがとう・・・湯浅さんの演奏はもちろん最高だが、オケ全体にすこし転んでいるのと僕のミスのため6.5点


唐町雨情
やっときた。思い切り酔いしれ(られ)る曲。最初のお二人のデユオだけでもう鳥肌物。そして霧雨のようにふんわり入るオーケストラ・・・なんという甘美な響き。ひたすら幸せ。途中のオーケストラの聞かせどころ。みんなと目を合わせて、ここぞとばかり心の絶叫。ああ、なんていい曲なんだ。そしてこの一体感。音楽の女神様に抱きしめられているのがわかる。 9点


黒潮
すごい!最初からギターがいい音だし、吉田さんのアルペジオが美しい。湯浅さんのソロも人の歌声のよう。リズムがはいってからの全員一体のドライブ感の快感が尋常ではない。心は間違いなくひとつ!管楽器のロングトーンが永遠の水平線のよう。そしてこの盛り上がり・・・盛り上がりすぎだって。リミッター振り切っています。いやあ、すばらしいです。マリオネットさんも含め全員一体になれた。これはバッカス20年間の演奏の中で音楽的に1.2を争う演奏かもしれない・・・。実は合宿の帰り道でこの曲を想っては涙したのであるが、リハや本番では緊張して泣けなかった。しかし、今録音を聞きながら・・・。涙が滂沱としてとまらん! 10点!


あとは大サービス。おふたりのデユオ2曲。マンドリン酒場と花の葬列。帰りかけるお二人を「ちょっと待った・・」とわざとらしく呼び止めて小芝居。これはいまさら言うまでも無く、もはや舞台と会場が息を呑んでプロの演出と妙技に酔いしれるしかない。

もはや一体となった会場の拍手は鳴り止まず。なにかこう良すぎて呆然としてしまった2部。いやいや気を取り直して3部マリオネットさんの力を借りず、われわれだけで勝負だ! お客さんが半分くらいになっていたらどうしよう・・・という心配を裏切り、相変わらず満員の客席!!!心から感謝(20-30人くらいは帰ったと思います。時間遅いし)


3部
以下、ふたたび録音を聞きながら

プレリュード
冒頭のユニゾン、マンドリン3パート奇跡のようなそろい方。すごい。装飾音は小川君がマンドリンで引きやすく「タラ・タン」と編曲してくれたのだが、僕は原曲の「タ・ラタン」にこだわりたくて、そう変えてしまった。これは楽器の構造上難しく、どうしてもあせってしまうらしい。最初のが少し転んだがここ1箇所以外はOK。
後の変奏は、部分によってちょっところんでるなあ。その後のTUTTIは最高に良し。ドラの雄たけびすばらしい。中盤フレデリの弟のきれいな部分もクラリネットの音色がいい。
フレデリの悩み以降は管弦に迫る音色の美しさ。ここはじっくり指揮を見てあわせてくれていて、主旋律至上主義の僕のうねるテンポに奇跡的にオケがついてきてくれている。マンオケだからという甘えは一切感じられず、管弦の美しさと本質は変わらない。すごく良いが、ところどころにつめ切れなかったところがあるので7点


メヌエット
一番心配な曲だったのだが、実演でも録音でもかなり良い。最初の動機は、優雅さのかけらも無く、ざくざくなたで断ち割るような凄みのある音だが、こういうのも良し。中間部の素朴な歌、主旋律も思い切り歌い、オブリも一体感があってすごく良し。ギターのさくさくしたメロディーも小気味よい。 最後のポンポンも決まった。意外にこれは良い。8点


アダージェト
ファランドール同様、本番で神がかってしまった曲。この曲は音量記号を無視して、思い切り感情のままに歌い上げたのだが、この響きの深さと懐かしさ、テンポのうねり、熱い号泣のようなfffと前世の記憶のようなppp(そんな音量指示無いのにね)頻発するG.Pにもオケは奇跡のように一糸乱れずに燃えてくれた。しかし!!ここでもまた僕はタクトミスを犯してしまう。それも一番いいところで・・・。しかし録音を聞くかぎりそれは判らない。 これがなければ満点だった。9.5点


カリヨン
テンポ感は良く快速に飛ばしている。でもちょっと呼吸が浅くて、前に転んでいるか。中間部の8/6はもう少しやわらかく行きたかった。硬いなあ。どうしても4/3に戻る部分を自然にやりたくて、テンポもさっさと硬くキャラが替え切れていない。これを聞いていると、後のこと考えずに(多少不自然なつなぎになっても)8/6はもっとゆっくりメロメロにやわらかくしても良かったなと思う。 でも中間部やっぱり音はきれいです。特に管楽器がうなりたくなるほどきれい。7.5点


メヌエット
これは雅子さんのSoloに尽きる。むずかしいのにね。人と自然ともうひとつの別のものの存在のように歌い上げています。なにかこの世ならぬ妖精の声みたい。澄み切って自然なビブラートが心に自然に入ってきます。ギターもすごくきれい。TUTTIのFLUTEも良くそろっていていいです。Soloはもう満点であったが全体のアンサンブルがもう少し丁寧につめられたかな・・・8.5点


ファランドール
いわゆる神が降りてしまった演奏。冒頭からスイッチが入ってしまい三人の王も完全にオケがひとつになって咆哮している。高音と低音の追っかけなんて音のキャラがたちまくっている。
そしてAllegro。正木さんのタムが絶妙のテンポを打ち出してくれた。この瞬間から僕は最後の追い込みまで棒を一切振っていない。太鼓に合わせて体を動かしながら、奏者と目でずっと会話していた。「おい、いくぞいくぞ」とか「それ、くすぐれ!」とか「そろそろいけ!」とか。僕の音楽生活史上最高に楽しい数分間だった。

録音を聞いて、管パートの本当にうまいこと!最初から最後まで、キャラを出しまくって、リズムに乗り切っている。 もちろん全パートキャラ立ちまくりで、聞いていて爽快この上ない。 だんだん盛り上がって、例の部分、中低音の三人の王の咆哮と高音のファランドールの狂喜乱舞が完全に一体化している。ここはプロのオケでも結構ちぐはぐなCDがあるのに。

最後の駆け上がり、満を持して僕は全力でアッチェルした。その瞬間のベースの低音の駆け上がりのすさまじさ・・!惚れそうだ!豪速でたたみかけながらコード三発! 文句なしに10点!!

もう全員全てを出し切っていた。最後の最後でここまで狂えて、まったく悔い無し。いったん退場。 すぐ出てきてアンコール。 最後まで付き合ってくださった聴衆の皆様に心からのお礼と、結成の年である1991年のメドレーについて説明した後演奏へ。


WewerebornIn1991
さすがにチューニングが狂っていたか、最初のコードはカオス・・・。だが、すぐにSAYYESのメロディが耳を捉える・・・。リズムがはいってからの安定感が特にいい。個人的にはこのSAYYESのサビの前の盛り上がりとサビが好きである。全員で心を合わせてよく歌えている。転じてラブストーリーこれは少しアレンジがガチャガチャうるさすぎたかもしれない。もっとも気に入っているのは、少年時代のマンドリン合奏。その後のドラとチェロのまろやかなトレモロもいい。
そして愛は勝つ。実はここからお客さんに手拍子をお願いした。すごい勢いの手拍子。こういうコンサートって、隣に知らない人がいるから手拍子って結構恥ずかしくってできないのだが(少なくとも僕はあまりできない)今日のお客様は、ものすごい勢いで思いっきり打ってくれた。たぶんほぼ全員だったとおもう。本当にありがたいことである。

この客席との一体感が、たまらなく楽しくいとおしい。人間を信じたくなる。この客席との一体感こそが僕らの次へ年への原動力である。
オケはここからアホかというくらい体を動かしたのであるが、体を動かすと走る走る・・・!これはやばいかも。
普段から動かしてグルーブしながら練習をする必要があろう。最後は豪快にエンディング。最後の最後にバッカナールの特徴的なモチーフがちょっと顔を出したのはお気づきになったろうか?いくらなんでも最後は乗りすぎて崩れてしまったので(でも楽しいからいいんだが)7.5点?

でたりはいったりは1回で終わらせ、心から御礼をして全ての曲を終えた。 あのパフォーマンスから1年、これ以上はもう無いと思われたのであるが今年もできちゃった・・・みたい。

メンバー、マリオネットのお二人(と海井さん)お手伝いのスタッフ、そして誰よりもお客さまのおかげである・・!

ロビーで団友・友人・後輩・元教え子、いろいろな方に挨拶しつつ、打ち上げ会場へ繰り出したのであった。

2011年8月25日

最後の練習(ゲネ)

合宿後の最後の練習、土日連続であった。ハードである。
私事だが、本業のほうで体力・精神的にダウン状態だったので、正直練習に行くのはしんどかった。

だが、土曜日見た顔が日曜日もそこにある。静かだが熱い気迫。たのもしき戦友たちよ!

ゲネは厳粛に、だが熱く始まった。1991は間に合った!パーカスがはいってボルテージは最高潮に。みんな動く動く!演奏中やっと目が合ってきた。もちろん1部も2部もアルルも、この日ついにある高みに達した・・・。

魂の暴風雨のようなファランドールの最後のコードの後、自然にわきあがる歓声と拍手。本番よ、いつでも来い!

というわけでいちおう念押しになりますが。

今回も入場無料・チケット無しで何人でも入場できますので、急に思い立って手ぶらでも、大歓迎です。まず座れるとは思いますが、前の席でご覧になりたい方は、ちょっと早めにきていただいたほうが無難かもしれません。
特に整理券などはありませんのでご了承ください・・・。
では会場で!!

2011年8月17日

夢は内房線に乗って(夏合宿報告2011)

夏休みである!春合宿と同じパターンで最初は鴻巣の実家に。すごい暑さ。
一泊して子供と家内を群馬に送り出した後、恒例の鴻巣徘徊であるが、暑すぎて外に出れず。喫茶店にこもる。なんともしまらない夏休みである。

そしていよいよ合宿第一日目。出発間際にいろいろあって、岩井に到着したのは15時である。小川君の到着が仕事で遅れるので今日は2部中心。これは8/6に吉田さんからいただいたアドバイスを中心におさらい。うーん、2部本当にいい!!他人事のようだがこのステージは本当に楽しみ。
アルルもやる。1日目ゆえ人数はまだそんなに多くないが、かなりの気迫。オケのメンバーが頼もしい。あと1991も。これは音をとって1ヶ月なので、まだまだ弾けていないところがある。この合宿でつめるしかないか・・。

1日目の夜から飲むが、最近の傾向として1日目のほうが飲んで盛り上がってしまう。いい日本酒を立て続けにあおりながら、さまざまな珍談に花を咲かせる。いい気分になって半裸でクーラーの効いた部屋に寝たのが悪かった・・・。翌朝、二日酔いではなく、悪寒がして頭がいたいのである。動悸も激しい。体調は最悪。なにしろお替り2.3杯する僕が、食事を残してしまうのだから。

結局この日は16時まで寝込んでしまった。その間は小川君が1部の練習。1日目来れなかったのと、今回は全体に彼の練習時間が少なめなので、ここぞとばかり半日以上1部を相当やったらしい。ので、これはこれでよかったのだろう。。。

夕方から僕は復活!さあ、合宿中最高のテンションで挑む全曲通し、僕の担当ではないが1部も少しレビュー。

1部
プレリュード4
やっぱり吉水さんのプレリュードシリーズ。このメロディが無きゃバッカスじゃない。技術的には交響的よりは少し弾きやすいかな・・・?プレリュードシリーズでは技術的、構造の精巧さからいって最高峰でしょう。

トッカータ古代舞曲
この曲はシブイ。大阪のマンドリンフェスで聞いて以来、狙っていた曲である。坂野先生の曲はマンドリンオリジナルでありながら現代音楽とJAZZYな感覚が自然に同居していて、もっと演奏されるべき曲。次はばら戦争あたり狙いたい。

幻想曲
作曲者直伝の幻1。今回演奏して本当に良い曲と改めて驚いた。後半のdurになってからの高揚感など、ほかでは味わえないもの。やっぱりマンドリン界の至宝的名曲だわ。

2部
個々の曲に関しては8/6のレビューで書いたし、あまりに書きすぎると、ねたがばれてしまうので書かないが・・・。この日YASUKOさんが遠路駆けつけてくれて、曲を聴いていただいたのだが、黒潮の冒頭のGUITARがいいミュートの音を出してくれたので、「男の子(少年)の海への憧れで始まる」と表現してくれたのだが、子供と長く離れていたことや、感動で高揚していたこともあり、聞いたとたんさまざまな思いに駆られ涙があふれて声がでない。あまりに感動したので支離滅裂になり、みんなに「あのね。今、イントロの男の子がギターに聞こえて・・」震える声でしゃべったら爆笑された・・・。この切なさ伝わらないのね。

3部
お父さんお母さん。皆様の品行方正な自慢の息子と娘たちは、今ラテンの血を沸かせた荒ぶるオスとメスになりました・・・。もう僕の手に負えません。

ってのは言いすぎだが、かなりのハイテンション。プレリュードやファランドールは極限の気迫。メヌエットなどもアンサンブルが整ってきた。もうへたにいじりまわさないで、奔馬の勢いに任せたほうが良い。ファランドールはバッカス史上でも屈指の狂乱の宴になるでありましょう・・・。

1991
まだディテールにこだわるところまで行っていない・・・。顔も上がらない。ちょっと時間切れ感があるなあ。間に合わせようよ!後半は相当な躁状態でないと弾けない曲なんだがまだ遠慮がある。本番までに何とかしましょう!!

打ち上げでは体調を考え、ノンアルコール。少しつまらなかったが、また馬鹿話をして、とくにコンミス・エリちゃんから即席でフランス語を習い、ボンジュール・マドモアゼル。ケツクセ?コマンタレブ?ジュテーム。シモフサクンシアワセソウナノニ(セシールのCMのせりふ)などとささやきまくった。 新人さんへの質問タイム。去年に引き続き、もはや使っているシャンプーに「ヴィダルサスーン」は鉄板の回答なのか・・・。

3日目は前日の直しを少しやる。アルルの練習はすべてフランス語でやることを宣言していたのだが「”ラ・ファン・ダフル”ヲ・・・ハジメルザンス」と結局おそ松君のイヤミみたいになってしまった。みなさんより早めに退場。この日の夕方群馬太田市に直行して子供たちとねぷた祭りを見るのだ。しかし、これからというときに大粒の豪雨で逃げ帰った。

前半は日差しにやられ、合宿ではクーラーにやられ、後半は雨にやられたか。さんざんではあったが、大変な時期に幸運と仲間と周りの協力に恵まれ夏休みとこのような合宿をさせてもらった。

ありがとうございます、そしてあともう少し。この時間をひたすらに楽しもう。

2011年8月16日

荻窪有情

「中高生のあいだで”ノモンハン”関連書籍がブレイク」とネットで読んで、いまどきの中高生スゲー・・・と思ったら「モンハン関連書籍」でした・・・。

さて、ご無沙汰しまくりであるが、もう今はそのことにすら触れず8/6杉並のマリオネットさん指導日。この日は前半、古代舞曲の初パーカス練習。坂野先生が今回のために書き下ろしてくださったもの。すごく曲がしまる。この日はマサキ師匠とボブ師匠と一緒に僕がSシンバル&トライアングル担当。いろいろ教わりながらドキドキの通し。楽しかった!

さて、マリオネットのお二人降臨。最初にちょっとお願いして、二重奏を披露していただく。これはすごい!あまりの響きのよさとかっこ良さにみんな陶然としている。当然ながらオケの士気は高まり、われわれのほうも持てる力を全て出しての現時点でのベストの演奏となった。

さて、この日は一曲ごとに、吉田さんに指導いただいたのだが、貴重なアドバイスをたくさん頂き、この日を境に、みなの合奏はさらに輝きを増したようである。以下曲ごとに少しだけ。

この日はあわせのある曲から。

唐街
テムポが粘りすぎているのと音の硬さや呼吸の足りなさの指摘あり。この曲、ソロとあわせると本当に陶酔してしまう。涙腺全開の鉄板曲。

航海王子
本当にオケもよくなった。一番苦労した曲だが今では一番自信のある曲。どや顔弾きである。後悔どころかやってよかった。中間部分はかなりポルトガルギターが前面に出るように変更。難曲だけに技術的な指導が多くはいった。

黒潮
これもテムポのうねりが難しいが、ぶっつけのあわせ練習ながらクライマックスは大感動の演奏となった。僕は背筋に電流が走りトリ肌状態である。全弦楽器にくわえフルート4本クラ2本、ティンパ、バスドラ、S・シンバルが咆哮するのだから、まさにラストにふさわしい大団円。

リスボン
ラテンのリズム特有の4拍目から1拍目の前へ前へのステップが大事。管楽器のアレンジをちょっと直した。

花便り
冒頭の音形、レガートであるが一つ一つの音に心をこめる。いつか書いたようにこれは音への執念である。杉並の響きのよさもあるが、トレモロの音も天上の音楽のよう。

マリオネットのお二人とは、過去にすでにイベントで3回共演させていただいているので、緊張感は持ちつつ余計な硬さやぎこちない感じは無くてすんだ。こういってはおこがましいがなにか自然な一体感を最初から感じてしまったのは傲慢な錯誤だろうか?有意義かつ感動的な練習のあとはもちろん打ち上げ。

お二人と鹿糠さん、YASUKOさんたち華やかな面々もそろい、荻窪の夜はにぎやかにふけていくのであった・・・。


いやあ、2部・・・本当にすごいです。お客さんと奏者が一体になって、大航海時代のロマンに陶酔できるなんて・・・今まで無かったステージ。マリオネットファンの皆さんのために、本プログラム以外の特上のプレゼントもありますよ・・・(言っちゃった。オフレコね)

これは・・・考えられないくらい本当~にお得でレアのコラボ゙なので、ぜひお見逃しなく!

2011年7月14日

We were born in 1991!

本業が殺人的忙しさで完全にノックアウトの6月であった。 3.4.5月に中止・延期になった仕事が一気に押し寄せた結果。
あれから3ヶ月で震災など無かったかのように前にも増しての仕事量。

さて、久々すぎていろいろまとめてになってしまうが。
ARTE東京旗揚げ公演。家内が出演していて、親子室も使えると言うので、初めての電車での遠出だ。 電車の中で大興奮して騒ぐ息子(ほんとの息子ですよ!)をなだめつつ、トリトンスクエア第一生命ホールへ。 未体験のスピード・パワーと表現力に圧倒される。もはや唯一無比。もう、日本の、マンドリン界の、とかいう話じゃない。丸本さんの曲はドイツをはじめこれから世界で演奏されるでしょう。 井上さん、コンチェルトのソロを弾きながら泣いていたな・・・。 熱い!この熱さが無けりゃダメである。演奏していて泣けなくなったら、即ステージを降りるべき。自分の肝にもそう銘じよう。

練習はいよいよ白熱。今年は6月といっても中だるみしている暇は無い。 航海王子はやっと魂がはいってきたし、アルルもプレリュードはこだわりまくった結果一番の出来に。むしろメヌエット(第一)でてこずっている。こういう舞曲はみんな頭で考えて難しくなってしまう。アンドレ・リュウ・オーケストラをみよ!(アレはやりすぎか・・・。)小さな子供を見ていると好きな音楽を聴くと、無邪気に体を揺らしている。あれでいいんだ。楽器を演奏するときは子供に戻ればいい・・・。

ファランドールは実によく「あっている」・・・。がこれではファランドールではない!刹那にはかなき人生を凝縮し、火花のように燃え尽きてこそのファランドール。壊れるか壊れないかのぎりぎりをお客さんには聞いていただくつもり。うわべだけ整った当たり障りの無い演奏だけは絶対に許さない!

それからアンコール。 特別な年のアンコールだからネタをばらしちゃおう。 ”We were born in 1991!”そう、バッカスが創立された1991年のヒットメドレーである。 1991年、僕が21歳(駒沢の宅間伸と言われていた時期)である。 時代はバブルの絶頂期。バイトの給料もよかった。先輩たちは一流企業の内定をいくつももらい、海外研修旅行に引っ張りまわされていた。いわゆるトレンディドラマ全盛期で、ダブル浅野とか、鈴木保奈美とか、中山美穂とか石田純一とか吉田栄作とかがもてはやされた時代。 渋谷の井の頭通りは毎夜学生たちのコンパで身動きできないほどごった返し、お祭りのような日々が延々と続いていた。

バッカスはこんな時代の空気の中で、コンパの歓声の中で生まれた団体である。 昔がよかったというつもりは毛頭無いが、それにしてもあの日本中が自信に満ちていた日々はなんだったのか。 この年のヒット曲も、すごくポジティブで力強い曲が多い。悪く言えばバブリーで刹那的。 昔が戻ってくることは絶対無いが、あのバッカス結成前夜のイケイケだった頃の日本を追体験しつつ、やがて来る日本の夜明けまでともし続ける灯りのひとつになればと言う気持ちから企画した。

さすがに団員たちも多くはこの頃小学生とか中学生が多い。学生や社会人1年生もいるからへたすりゃ彼らの生まれて間もないころである。 しかし、今でも盛んに聴く名曲ばかりなので、ほぼ全曲わかったとのこと。ほっとした。ご期待あれ。

2011年6月17日

音量記号を疑え!

6/12の練習 今年最後の砂町。
この日は3部の合奏は後半から。プレリュード、よくなった。アダージェットも、ちょっと涙腺が危うくなるほどよくなった。ファランドール安定してきた。意外に苦戦したのが第一組曲のほうのメヌエット。これは次回集中してやりましょう・・・!

アダージェットのような曲を演奏するときに思うこと。この曲はテンポは遅いが実はすごく熱い曲なのであるが、音量記号が冒頭pと書いてあると、演奏者はパブロフの犬のように反射的にかなり抑え目で弾いて来る。

fやpは一般に強奏・弱奏と訳されるが、常にfは力強く、pは弱くやさしく、と言葉通りに演奏するのはどうか。何かの本で読んだが本来はその場は大きく・小さく、と言うかなり即物的な意味があるはずだ。 絶対的な音量の指定はないのだから、音量の変化はその曲の中の相対的な変化であり、その曲の最大音量と最小音量は大体決めておくべきだが、ステレオのボリュームを上げ下げするように音量変化を考えるのはどうかと思う。

音量の変化は音楽に劇的な変化と深みをもたらすが、この強奏・弱奏と言う言葉の持つ強迫観念がもたらしている弊害を考えると、もうイタリア語の音量記号は全部取っちゃって、「近い・遠い」「浅い・深い」「明るい・暗い」「濃い・薄い」「重い・軽い」「爆笑・微笑」「興奮・冷静」「甘く・しょっぱく」「芳香・悪臭」「エロい・まじめ」と音量(と変化の)指定を日本語で表記してはどうか?

音量変化は音量変化のための音量変化ではない。まずは譜面にある音量記号を取っちゃおう。
そして作曲者がなぜそこで音量を大きく・小さくしたいのかを考えたい。

アフリカ象が・・・好きっ!

5/29は久しぶりの砂町。そして・・・大雨だ。
延期になっていた子供の遠足(といっても室内)を途中で抜けて練習場へ。 12時に何とか間に合った。

この日は合宿で気になっていたプレリュードを細かくやる。パートの出席状況に偏りがある・・・かな。 それにしても、ホールがいい響き。 小川君到着まで時間ができたので、さらに、アルルの数曲分と航海王子。 パー練ではフルートとギターのメヌエット・・・今日はたっぷり分奏をやって、大進歩。ギターのプレリュードのアンサンブルも、ほぼ完璧!!ギター、やるじゃないか。

全体にきれいな響きであったし、アンサンブルにも大きな破綻は無い。 だけれど音圧が弱い。昔はfffを出すと指揮者は顔に「風圧」を感じたものだ。みんなおとなしいぞ!! それからメロディ。これが弱い。 「メロディは顔、ハーモニーはおっぱい。リズムはお尻(または脚)」 おっぱいもお尻もいいけれど、第一印象は顔でしょう。

音の草原を見渡す幸せ・・・ 音の洪水に包まれる幸せ・・・ 久々に感じたいものである。

実は6月は「魔の6月」と呼ばれている。 楽器を持ち歩くには最もつらい雨が多いという条件、テンションの高い春合宿が終わった虚脱状態、7月からの後期全力疾走モードの前のエアポケット現象とも言うべき時期で、出席率・テンションも落ちがち。

家内が参加している東京アルテ。見学にいければいいのだけれど、子守があるのでいけない。しかし練習のたびごとに家内から指揮者の井上氏の指導時の言動を聞く。 ・・・すごいな。 練習は楽しくなきゃダメだ。次も来たいと思わせないと。 出席率のムラを嘆く前に、休んだら損をした気になる練習にするのが先なのだ。

追記・・・
読み返していて驚いた!表題をスルーしたまま終わってしまったではないか?つかれてるのかな・・・。
最近そういえば、がきデカっておもしろかったなあと思い返していた。とにかく下品な漫画で、主人公のこまわり君が汚いことこの上ない。ギャグのテンポ感の速さは、現代のギャグマンガレベルかそれ以上。たとえば西條君がお茶を入れていると、こまわり君がいつの間に自分のタ〇キンを急須の変わりに突き出している。西條君が空の果てまで殴りとばして、次のコマでまたお茶をいれようとすると何事も無かったようにこまわりがまたタ〇キンを突き出している。たとえは汚いがこのpresttisimoはすばらしい。

さてYOUTUBEで見ると、アニメ化されていたらしい・・・・!これは知らなかった。オープニングが・・・期待を裏切らない下品さ。これは今の日本では放送できないだろうなあ。早速覚えて息子の前でフルコーラスで歌ってみると、言葉がわからないはずなのに大爆笑。でもそのうち「タ〇キン」とか「アフリカ象が・・・」などという言葉を覚えだすと家内におこられるのでやめた・・・。

2011年5月19日

1部集中練のこと(附:音楽書感想文)

5/14の練習は、急病で合宿にこれなかった小川君特集。
その日僕はたまたま休日出勤で、どう練習時間を工面しようか悩んでいたので、おもいきってすべてお任せすることにした・・・合宿でできなかった1部に集中して有意義な練習ができたようだ。
ロートルもたまには引っ込んだほうがよいのである。

ロートルといえば、40歳過ぎて判ったことは僕の頭は本当にスカスカであると言うこと。1週間に10冊ちかく本を読むのに、ほとんど頭に入らない。しかし、だからこそ同じ本を何度も楽しめる。
ごく最近読んだ音楽関係の本で面白いものをいくつか。

松田聖子と中森明菜  中川右介著
80年代の歌謡曲好きには、めっぽう面白い本。山口百恵の全盛期から松田聖子・中森明菜のデビュー、ジャニタレとチェッカーズ・小泉今日子の台頭までの芸能音楽史の表と裏のエピソードが満載。数字と時間軸が詳細で資料としても一級。 あまりに面白くてすぐ読み終えるのが惜しく、一日に読むページを決めて何度も読み返していた。
冒頭、著者は問う。松田聖子がもしいなかったら日本はどうなっていたか。僕は特に松田聖子のファンではないが時代の目撃者として断言する。 松田聖子がいなかったら現代史は変わっていたと。具体的にどう変わっていたかは一口で言い表せないが、松田聖子がある時期80年代の日本(文化・経済)そのものを象徴していたのは明らかだ。
松田聖子のデビュー前の芸名が「新田明子」だったのには腰が砕けた。新田明子のままだったら・・・売れなかったろうなあ。

ロック・ギタリスト伝説  萩原健太著
恥ずかしいが、僕はここに出ているギタリストの半分も知らなかった。しかし、歴史的ギタリストたちの独特な演奏スタイルやエピソードを、かつてのギター少年である著者がわかりやすい視線で語るので、ギターを弾かない人でも十分楽しめる。一方でかなりマニアックなテクニックを解明していたりして、ギター弾きも読んでよかったの大満足良書。
個人的にすごいと思ったのは超我流ギタリスト、アルバート・コリンズ。この人は最初に親戚からギターの手ほどきを受けたとき、ウソを教えられたのか単に適当だったのか「オープンFm」という妙なチューニングでギターを独習し、プロになっても押し通した。ぶっとい指で弦をちぎらんばかりにバキバキ弾き倒すが、めちゃくちゃウマい。 われわれの世界は「あれはだめ・これはだめ」と言う世界であるが、ロックギタリストたちのなんと自由なことか・・・。

クラシック批評こてんぱん  鈴木淳史著
涙が出るほど笑った。クラシックの批評をかなりひねくれた観点で分類・整理し、パロディしまくっている。
この本のなかで伝説のトンデモ本扱いされている神保景一郎の「クラシック音楽鑑賞事典」を僕は持っている。ひさびさに読み返してみる。ベートーベンの運命4楽章を聴くと、脳内に「金竜銀蛇」が飛び交ってしまう神保先生の熱すぎる感性を改めて噛み締めた。

あと、音楽書ではプロ・アマ演奏家が語る楽屋ウラ話、楽器・演奏スタイル紹介と言うような本が好きでよく読む。
書名は忘れたが、演奏家たちのマル秘テクニックコーナーがあって面白いのだが、あるコントラバス奏者のテクで、かかとにアルミ箔を貼ると、体に流れている微電流を床に逃がす・・とかなんとか言う理屈で、音がよくなり、かつ響くそうだ。
かかとにアルミ箔・・・なんとなくやって見たいような気もするが、僕の足は酸性なので化学反応して水素か何かが出ないか少し心配。

それとはまた別の書籍で福田進一氏が、ツメが割れたときのマル秘アイテム・釣り用アロンアルファを紹介していた。これはギタリストの間ではいまや常識で、ギタリストの金さんによると、南米あたりから来日するギタリストも、釣具屋に行って大量購入して帰るそうだ。
上州屋にギターケースを持っている人がいたら、ずばりその目的であろう。

2011年5月11日

直前練習&春合宿報告2011

前回は失礼。4/30合宿直前に練習あったんですね。
はじめての?大田区民センター。有楽町渋谷直通を使えば思ったより遠くないし、駅前だし、オリジン弁当はあるし。なによりよく響いて、うまくなったと錯覚してしまううれしい場所。

しかもこの日は小川君のファランドールの編曲が間に合って初合奏。このファランドールと言う曲、実はかなり僕の好きな曲。
正直言うとバッカスでやる曲って、練習前・合奏初期は聴きまくるのであるが、どうしても一種の義務感で聞いているところがあって(指揮者がこんなこといっていいんだろうか!?)完全に覚えて解釈してしまうと、もう聞かないことが多い。少なくとも合奏しているさなかや演奏会後は「もうおなかいっぱい」で当分は聞きたくない・・・。と言う状態が普通。

しかしこのファランドールだけは別。車の中や通勤中に大好きなPOPSやロックと一緒に聞いても違和感がない。本当によく出来た曲で、最初の勇壮なハーモニーもいいし、クライマックスでファランドールとかさなりながら、金管が三度で吼えるところなんて、何度聴いても痛快。ファランドールに限らないが、ところどころに仕掛けてあるビゼー独特の素敵な和声の変化がイカす。

この日は初見でありながら、この風呂場エコーなみの極上の響きのホールで初通し。いいじゃないか!最初の響きもいいし、高音パートと低音で追っかける例の部分も、鳥肌が立つほどかっこいい!ファランドールの部分、ついつい走ってしまうが、クライマックスのエグイ部分、弾きやすいよう横divしているので、意外にいける。重なり合っての低音パートの「三人の王」も豪快だ。

本当にいいなぁ!ファランドール。最後にこの曲があると演奏会自体が映えると思う。


そして連休!今年は節電で全社休業のため、連休中に仕事が動くこともなく、いつもより気が楽だ。前半は鴻巣の実家に子供をつれて泊りがけで帰省。2年位前は、行く末に思い悩んで眠れずにすごした実家の夜だったが、今は子供の世話でくたくたで即爆睡だ。

翌日、鴻巣の街を歩く。駅ビルに平日なので高校生がたくさん。鴻巣女子高、制服がおしゃれになったなあ・・・。鴻巣高校も学ランがブレザーに。こうやって駅ビルのフードコートで彼らが青春しているのを見ていると、自分の頃を思い出さずにいられない。
あの時はファーストフードはそれほどなく、肉屋のハムカツにソースをかけてぱくついていた。たまに男同士でミスド(ついになくなっていた!)に入って、たわいのない話を何時間もしていたな。ほんの25年ほど前のこと。

合宿初日、小川君が急病でこれなくなってしまったと言うことで、2.3部中心の合奏。2部のマリオネットはとにかく独特の「打ち込む」ピッキングを練習。3部のアルルは、棒への食いつきを練習。瞬発力があり輪郭のはっきりした音楽を目指す。

1日目の夜、飲みに参加、最近僕は「ワンカップ大関」にはまっていて、これを持参。ワンカップ大関は最近あまりはやらない甘口の日本酒だが、これをちびちび飲んでいると麻薬的にはまる。これを飲んでいるうちに非常に愉快になり、1日目の夜なのにかなりハイになり、若い男女の団員に自分の十代のころの純愛について語ったあと、只でさえ今年のトリはアルルなのだから、もっとラテンに、団員全員が艶雄&艶女になって恋に生きようとまくし立てた(周りはもてあましたろうなあ・・・)

2日目、AMはTOP会の話し合いで海にいけず。pmは1部のパー練をやってもらう。夕方から2.3部の練習。ティンパニもはいりゴージャス。休憩時間に久しぶりに歌本を開いて数人で歌って楽しんだ。短い時間ではあったが、これこれ、これが合宿だ!最近は夜の打ち上げで楽器を弾くことは禁じられており、昼間こういう機会しかない。もっと歌いたいな合宿で。


そして合宿のメインである夜の通し。いちおう2.3部の曲に一言ずつ。

航海王子
安定してきた。激しさ・メリハリもついてきて、曲の風景が見えてきた。後はSOLO部分をキャラだった音でしっかり演奏できるか・・・。最後のアッチェルをすっかり忘れていた。

リスボン
これは楽しい!みんながリズムに乗って楽しんでいるのが判る。メロディパートがもっともっと魅力的に歌えれば。

花便り
癒されるなあ。繰り返しなんだけど少しづつアレンジがにぎやかになっていく。本当に気持ちをこめると、心に来るものがある。

唐街
今は一番これが好きかも・・・。すごい感動の予感がする。

黒潮
最初のリットは、頭で考えるのではなく、自分が潮に乗ってゆったりと盛り上がる波に乗るように。リズムがはいってから狂おしいほど高揚する。クライマックスは、ティンパやサスペンダーシンバルを入れて壮大にするつもり。マリオネットのお二人に許可を取らなくては。

アルル
プレリュード
最初のテーマはもっと音量がほしい。あと平面的に弾くのではなく重たい振り子を動かすような慣性の力を感じたい。第一変奏ギターの合奏、レガートで流れる感じがまだない。後半の音も少し怪しい。4分音は絶対ビブラートしたい・・・。第2変奏、もっと遠近感と言うかメリハリがほしいなぁ。第3変奏、音がかなりはっきりしてきたけど、何かこう流れる感じがしない・・・。第4、これはいいけど、もっと雄雄しく図太い音で行きたい。後半のフレデリックの恋の悩みの部分。ここはなかなかきれいだが、まだ頭で考えて歌っている部分があって。ここが体全体で心から歌えるとすごくいいんだが・・・。

メヌエット
祝祭の音楽だからもっと華やかに元気に!最後のポン・ポンがこけたのにはかなりがっかり。

カリヨン
音もよく出ていてタテの線があっていればそれなりに聞こえる。

メヌエット
特訓の成果があり、フルートとギターの相性はかなりよくなった。でもまだタテの線だけであわせている。横の流れがあうと本物なんだが。

ファランドール
最初の響きがまだまだ貧弱。録音したときは最初から急ぎすぎてしまった。マンドリン・フルートの早い動きは見事。後半はドラチェロ大変だと思うが、なんとか奮闘してほしい。なぜなら苦労した分だけ、いやそれ以上に報われる部分だから。この曲が一番最後に譜面が上がったんだが、いちばんいいなぁ。


その夜は大打ち上げ!新人さんの自己紹介もあったが、時間短縮のせいか、セクハラの疑惑があるのか質問コーナーがなかった。ぼくは一日目に盛り上がり過ぎてしまって、この日はあまり飲まず騒がず、あっさり退却。

翌日は子供を群馬に迎えに行くため11時前に帰るので、1部は指揮経験者・TOP経験者3人にたたいて通してもらうことに。偶然全員DOLAであったが。こうして今年は乳飲み子を抱えて練習全参加が困難とされている2人の指揮者の穴を埋めると同時に、隠れた人材を発掘し、かつ大勢のオケを取り仕切る大変さを味わってもらうと言う狙いがあるのである。今後もいろいろ経験していただくつもりなのでよろしく!

日本が大変な状況で開催が危ぶまれた春合宿、最後まで無事に終わりました。ちょっと後ろめたい気分ですが、楽しく過ごせたこと、合宿係さん、皆さんとその家族に感謝。

さあ、中盤戦に突入!

2011年4月28日

「アルルの女」ってどんな女よ・・・。

4.16久々の森下。この日は前日まで仕事がトラぶっていて、深夜までかかって片付き、なんとか当日12:30音だし。

うれしいことにまた新人さん見学さんにも来ていただいた。こんなにいい練習場で、お互い貴重な時間を使って集まっているはずなのだが・・・連日の残業で僕自身もあまり予習できなかったこともあるし、メンバーも1回前の練習と結構変わっていて、結局前回4/2と大して変わらない練習をしてしまった。練習もざわざわしてどことなく集中できない。これじゃ同じ内容の練習を2-3回づつやる感じで、時間がもったいない。

バッカス以外の土日は子供の世話があるし、今年は本業も激忙で土日出勤が結構ある。音楽にさける時間が、以前の3分の一くらいになった気がする。 いきなり愚痴になってしまったが、こうなって初めて、短い時間に集中して音楽することの大事さを感じる。じゃあ、効率第一で無駄を排した練習がいいかと言うとそれだけじゃつまんない。

少ない時間で集中してやるには・・・よく言われる「真剣に遊ぶ」という言葉の意味を考えたい・・・合奏は自分自身を見つめることでもあるし、周りの人に思いをはせることでもある。自分は楽しめているか?周りの人は楽しめているか?周りの人の時間を無駄にしていないか?・・・ACの広告みたいになってしまった。

そもそも大震災の余燼もまだまだくすぶっているし、日本中に目に見えない苦悩が覆いかぶさってみんなが逼塞している感じだ。あいまいな「便利で安全な生活」への欲求と、それを失う恐怖にわれを忘れて足元が見えなくなっている。

僕はこんな時はケセラセラで行きたい。無策の策という言葉もある。あえて悩まずにこの閉塞感を忘れたい。さあ次は合宿!待望のファランドールも上がるし、テンションを揚げていきたい。

歌劇「アルルの女」は、主人公の男・フェデリコがアルル(地名)の闘牛場で一目見ただけの女(なんとタイトルになっているくせに劇中に一度も登場しない)に恋焦がれ、やがて他人に奪われてしまうという妄想にとらわれ、すぐそばにあった本当の愛に気づかずに自ら命を絶ってしまうという悲劇。

アルルの女って結局どんな女よ・・・。
人間の愚かしさは今も昔も変わらない。

2011年4月19日

練習再開・・・。

3/20の練習は、大本営の判断で、震災の影響で中止となった。この時期はろくに電車も動いておらず、余震も毎日数度起きていた状況だったのである。 僕は地震の瞬間、電車に乗っていたのであるが、あの揺れの激しさは無論人生最大のものであった。 それから数週間、(東北地方に比べれば甘すぎるが)東京周辺の交通や物資流通の麻痺状況と言ったらひどいもので、多少マシになったとはいえ、今度は原発騒ぎで、混乱は続行中。これについてもいつかここで書くことがあるであろう。

残念なのは、元・山男として、ヘッドライトやランタンやコンロやら燃料やらコッヘルやら、仰山所持していたのであったが、はやりの「断・捨・離」整理法に影響されて去年大部分を処分してしまったのである。今頃あれらがあれば・・・。

さて、4/2杉並。 交通状況も一段落したところで、やっと練習再開。 杉並は高い天井と、デラックスな作りで、響きのきれいな贅沢な練習場である。ベースパートが4人という奇跡の出席率の割には、全体としては初回に比べると人数が少し少ないか。まあまだいろいろ大変なのである。

この日は1部はプレリュード4中心。これは、去年の3よりもかなり弾き応えのある曲。交響的ほどではないが、なかなかに手ごわく、また楽しい。冒頭の「吉水節」なごむなあ。 3部は小川君がプレリュードをあげてくれたので、時間いっぱいほぼ全部この曲。いやあ、いよいよアルルである。 初見でも有り、ところどころ厳しい部分もあるが、まずまずの出来。CDで聴くとちょっと間延びして退屈に聞こえる後半部分が、演奏していると燃えてくる。

2部は難曲・航海王子。当分はこれに取り組むことになる。弾けるだけじゃもったいない。喜望峰を目指して逆巻く怒涛に挑んでいくような、情熱的な音楽にしたいもの。マリオネット独特の奏法やニュアンスも重要。 大部分の奏者は無論これらの曲の魅力をわかっているのであろうが、指揮者のほうからこの曲の魅力を発信しなければいけない。

いずれにしろ、この状況でも楽器を持って集まり合奏が楽しめると言うことは本当にありがたいことだ・・・。 次回は4/16

2011年3月7日

20年だよ!総員起床!

たはごと始まって以来最長の沈黙であった! この半年、アラフォー子育ての毎日もいろんなことがあり、今回のマリオネットさんとの共演(!)につながる音楽イベントもたくさんあったのだが、おいおい書いていきたい。

今年は創団20年記念なので(ひっぱるね!)またしてもお祭りイヤーである。みんな、いい加減この顔は見飽きたかもしれないけれど、今年もまだまだいきますよ! 今年はなんといっても久々のゲスト、それも超スペシャルゲスト、マリオネットのお二人。あのマリオネットが共演してくださるってだけで、この夏は今からわくわくしている。 東京の芸能人と一緒にプレイできるんだよ、おっかさん!!おらァうれしくて・・・。

選曲会も終わり、あっという間にTOP練・初練習。 今年は毎回の練習の様子をアップしつつ、今回の曲目やステージングを明らかにしていきたい・・・。

さて、初練習の3/6板橋。 子供の世話の関係で、この日の参加は後半から。今年はこういうケースが多くなりそう・・・。あらためて子供がいても熱心に練習に参加してくれる団員たちの情熱や誠意に気づかされる。みんな大変だったんだな・・・。偉いよ。

前半は小川君のプレリュード4(吉水先生)・RSより古代舞曲(坂野先生)・幻想曲(久保田先生)の初あわせ。1部は、去年に引き続き「やっぱりいいものはいい!」ということでバッカス定番の先生方の代表曲。どれも新定番と言うべき名曲!この日は僕自身後半からの参加なので、幻想曲の後半しか聞けなかったが、はやくもかなり弾けているではないか!ドア越しに奏者の勢いがビンビンに伝わってきた。前の二曲に関しては、このひきいていないので今後の練習でたっぷりリポートさせてもらうとする。

ドアを開けると、すごい人数だ。この日は新人さん・見学さんがたくさん参加してくれ、常連・出戻り組みも多く、初練習にしては異例の人数が小さめのリハ室にぎっしりつまりっていた。さまざまな性別・年代から立ち上る暑い熱気と芳香に僕のめがねは曇った。この熱さは代謝熱と思われ、若い人が増えたのかもしれなかった(後ほど、単に空調が壊れていたと言うことがわかったが)

小川君は子供の用が有り退出(指揮者が二人とも乳飲み子かかえて・・・今年は大変そうである)まだ譜面がいきわたらないと言う混乱もあったが、まずはアルルから。
アルル・・・昔から選曲会の常連で人気の高い曲であったが、トリにするには帯に短し・・・ってやつで、なかなか選ばれなかった。 ここ数年のトリ重厚長大(ロシア・東欧系)主義の中ではなかなか最終候補には残らなかったのであるが、去年の新世界全曲演奏で大艦巨砲の流れも一段落して、こういう品のある組曲も曲の大きさにこだわらずトリに採用しようと言う動きが出てきたのである。

僕個人としても、今年に入ってあるきっかけから、いままでの勢いと熱気だけの粗雑な指揮・解釈から、今後は丁寧で美しい音楽をして見たいという心境の変化もあって、アルルは新境地にぴったりの曲なのである。 初めての合奏と言うことで、ちょっとわさわさしたが、けっこう弾けているではないか!丁寧に完成度たかく仕上げるについて、最初のスタートでこれくらいのアベレージがだせれば、まあまあであろう・・・。E♭durの曲がちょっと音が取れていないが。

小川君の編曲が終わり、プレリュードやファランドールが加われば、まさに南欧の華やかな組曲の完成となる。

次はマリオネットとの共演ステージから。航海王子・・・すごいかっこ良さ。現代欧州オリジナルものをしのぐセンスとテクニック。これは絶対弾けるようになりたい。とはいえ、かなり難しい・・・! 2・3部を通じてぴか一の難しさだが、その分弾けた時の高揚感はひとしおだろう。いずれにしろ中途半端な出来で「後悔王子」と言われないようにしたい。(この駄洒落、夏まで何回使うことだろう)

あとは4曲(おいおい紹介しよう)航海王子以外は、最初からなかなかの出来。 初日なのでとにかく全曲、もう次々とすっ飛ばして何とか通った。次からは一曲ごとにじっくりやっていくことになるだろう・・。

子供が待っているので、後片付けもそこそこに退出。 バッカス21の幕開けはあわただしかったが、バッカスの歴史でも指折りの華やかなプログラムを予感させるものであった。

次回は3/20の夜から板橋での練習なので、新人さんも見学さんも常連さんもお気軽に参加を!