2012年8月24日

本番レポート後編・さよならなんて・・・言えないよ・・・ばかやろおぉぉぉ!!


2部に向けてスタンバイといっても、今年は演奏はしないので、舞台の袖からじっとオケと小川君を見守る。

今年は自分の練習時間が終わったら、すぐに家にかえっていた。共働きなので家内が土日の自宅レッスンの間、僕が子守をするためだ。まさにギリギリの綱渡りだったといっていい。
だから、2部がすごいことになっているのは夏合宿で知った。

客席の雰囲気は最高。思いっきり行ってくれ!!

ペール
朝、フルートとクラの掛け合いが美しい。弦の盛り上がりも圧倒的。のっけからやった!という感じ。ホールの響きが本当にこの曲にあっている。
オーゼ。こういうトレモロで押していく曲は非常に美しく、底なしに奥のある響きに聞こえる。GPも決まった!管弦と比べても遜色ないところか、ざわざわと波立つ感じはトレモロならではの味。
アニトラ。アレンジがいい。メロディが魅力的に聞きやすくなっている。しかしやはりマンドリン中間部が少し前にのめるか。
魔王。個人的には5-6月の狂おしいほどに速いのが好きだったのだが・・・。でも組曲として終曲に破綻なくまとまった感じでそのほうが良かったので○。


ひとつだけ。
この曲に限らないがgestpht(ミュート)の種類が少ない。みんなgestpftの指示があるとかなりきつく右手手刀部分でミュートした音(1種類)を出すが、本来そういうタイトなミュートとnat(通常音)の中間のハーフ・ミュート、そしてハーフミュートとミュートの中間、ハーフミュートとnatの中間と、4つくらいの種類があったほうが良い。うまいギタリストなんかは実に器用に使い分けるし、ひとつのメロディの中で種類を変えていくことでフレーズに抑揚をつけている。

ピッキングの微妙な違いで音色を変えるマンドリンだからこそ、ここは今後時間があればっもっとこだわりたいところ。


さて、火の山
まさにここだけ緊張感が違う!冒頭のsfzとそれに続くフルートソロ、金管のアンサンブルの完成度、曲の風格が違う。そしてこの速さ!速さはパワーである。火山(原発?)という人間が制御できない理不尽な力もかくやあらん。
やっぱり去年の地震のことを考えると、冷静には聴けない。
特に五木の子守唄・・・。いかん胸が締め付けられ泣けそうだ。反則である。やっぱり理屈を超えた力がこの曲にはあると思う。

バトンテクニークに関しては小川君は完全に僕を超えたと思う。なぜならこんな風には僕は絶対振れましえ~ん。

お客さんの拍手もこの曲ばかりはひときわ大きく、また重く聞こえた・・・。

さて、アンコールは小川君の忙しい人のためのジャニーズメドレー。僕は始めてパーカスで参加。たのしいなあ!
譜面をほとんど見ず、好き勝手な楽器を叩いていた。
最後の「勇気」は客席から一糸乱れぬ大きな手拍子が。あれと思って指揮台を見ると、小川君が客席のほうを向いて自ら頭上で手を叩いてノリまくっていた・・・。


小川君も変わったなあ・・・K○A指揮科修了のエリートのはずなんだが。
かの大先生から「・・・そんな指揮、見たこともありません・・・」と怒られても知らんよ。

まあ、小川君ですらそうさせてしまう空気を舞台と客席で作ったということで。今回はある意味アニバーサリー以上の大成功だったと言うことであろう。
たくさんのスタッフ、そして団員のご家族、また悪天候・裏番組にもかかわらずおいでいただいた皆様に感謝・・・

打ち上げではまたちょっと感動することもあったのであるが、また後日。。。

2012年8月20日

本番レポート(前編)倭になって踊ろう!!



本番当日。
早めに家を出て早めにかつしか到着。みんな明るい表情で挨拶を交わし、セッティングにうつる。今日はすごくうまく行きそうな気がする。っていうかうまくいかない理由が無い。

今年はオケピをつぶさないのか・・・。ゲストや特殊な出し物も特に無いし。思えばこの2年、20回記念(クリスマスケーキ)、20周年(おせち料理)ときて今回は久々の素のバッカス(普通のご飯)である。正念場は今年といえる。団の力が試されるのはこういうときなのだ。

無事にセッティングも済み、AMはペールから練習。もう葛飾も長いので、やっとホールの特性をつかめた。基本的にいいホールなので音はいつもの5割増しにきれいに聞こえるし、この7月からしつこく耳で合わせるなということを言ってきたので、全員指揮を見て、オケの前と後ろのズレも少ない。
小川君も僕もあせりは無かった。

そして僕の杜の練習。あまりに余韻がきれいなので、いままで情感たっぷりに歌わせようとテンポやアゴーギグをさんざんいじってきたのであるが、あえて歌わないでのびのび平均的に演奏させると、すごく良かった!!

今までの半年間はなんだったのだろう・・・でもこんなものだ。この道のりは無駄ではない。最初から何もしない「無」と、苦心惨憺試行錯誤した果ての「無為」はちがう。

そして昼食後、PMの練習。
火の山、小川君、直前まで鋭く細かい指示を与え続ける。
この曲もおおとりにふさわしい風格を備えるようになった。


この間、たわいない話であるが、2歳の息子が客席にあそびに来てくれたので、僕は世の全てのおろかな父親と同じく、でれでれで抱き上げたり遊んだりしてしまった。

気を取り直してシンフォニー・ジャニーズ

シンフォニーは、オケも賛助さんももう完璧。少しバランスを直しただけ。むしろ練習したせいで酸素に触れ少し酸化してしまった。しなくても良かったかもしれない(そんなわけには行かないが)

ジャニーズは、やはりテンポ設定の確認に神経を使う。やはり少し粘っているか?でもこのホールではこれでいい。
ゆとろぎや合宿での快速テンポはなんだったのかということにもなるが。

そもそも練習で毎回型にはまったように同じ音楽を作り、本番も必ず練習と同じものを乗せるのがいいのか・・・?僕はそう思っていない。

音楽は、環境やその日の気分でつねに変化していく。

練習とは同じことの蓄積ではなく、音楽の変化についていけるようになるための訓練なのだ。本番で一瞬で練習と違うことが出来るのが真の実力あるオケである。だから「桝川さんは毎回テンポが違う」とか「本番で違うことをやる」といってる人たちよ。そういうことなの。


さて、全ての練習を終え、夕食をとり、本番までのひと時をすごす。冗談を言いながら、期待と不安で胸の高まるひと時。出演者たちの特権である。

そして、あっという間に開演ベル。僕は今年は1部担当。会場を暖めるという大役。


紹介されて舞台に出て行く。見渡すと・・・おおおおお!1.2階席ともにほぼ満席(に見える)

ご存知だろうが、この日同時間帯に比較にならないほど強力すぎる裏番組があったのだ。全日本マンドリン合奏コンクール・・・。名だたる作曲者指導者が審査員に名を連ね、実力派の団体があまた出演する斯界最注目のイベント。業界人は根こそぎそちらに行くはずであり、行くべきであり、今日で無ければ僕自身そちらに行っていたろう。聴衆は去年の3.4割減、いや半減だという予想まであった。
(日程はこちらのほうが先に決まっていたのである)

しかし客席は2年連続のアニバーサリーには及ばずとも、それ以前に劣らぬ入りであった。後でわかったことだが業界人や学生の方も来ていただいた。はしご組みもいたらしい。

これは分析すると

*こちらに来てくれる義理堅い業界人がいた。

*そもそも合奏コンクールにでるようなひとたちはバッカスに来ていなかった。

*マリオネット招聘などの企画が功を奏し業界人以外の固定客が増えていた。

ということになろうが、深く詮索するのはやめにしよう。いずれにしろ、この客席を見たときのオケと僕の喜びと感謝はいかばかりなものか・・・。

客席の年齢層はややいつもより若く、女性が多い様に思えた。こちらを見ている目が柔らかく、受け入れられている雰囲気を感じた。これはいける!

一曲目:シンフォニー
最初のppから、marcatoまで、ものすごい集中力。気迫。ホルン・ファゴットがいい場所でいい音を聞かせてくれる。パーカスもピタリ。0.1mmの狂いも無い。それでいてこの情熱。マンドリンの高音も天使の歌声のよう。とにかくパーフェクト。終わった後もあまりにうまく行き過ぎて目の前で起こったことを信じかねた。すごい演奏。この20年で最高かも・・・。

2曲目:杜
まさに大自然・・・。マンドリンのソロから流れ出す源流、マンドラがひたすらメロディを紡いでいく。僕はほとんど振らずに海馬の記憶の中の欅を見つめていた。そしてサビ、巨樹がうねり、緑の嵐が吹き上がる!!
去年タクトミスを連発した僕であったが、これも信じられないほどの演奏。
お客さんの拍手が暖かい。いい温度だ。いったん引っ込んで、次は企画の前にYASUKOさんとトーク。


今年はせりふは決めずに、ジャニーズに関してだらだらとトークする事にした。ウケようとしたり、いいことを言おうとしなくても良いことがだんだん判ってきたからだ。ぼくも家内との小さなコンサートでは普通にしゃべっているし、去年マリオネットさんのステージでの自然体のトークも、心地よかった。要するにお客さんの気分転換になればよい。

最初、YASUKOさんの好きなグループの話をしたり、僕がひろみゴーの話をしたり、客席とオケに好きなグループに手を上げてもらい世代分布を見たり、オケが打ち合わせと違ってぜんぜん手を上げないので「リハのときみたいに手を上げてよ」と突っ込んだり。
とりとめが無かったが、それなりに気分転換していただいたことだろう。

さて1楽章
嵐が始まると客席の「おっ?!」という反応がわかる。次にどんな曲が来るか期待する視線を背中に感じる。もうこちらのペースだ。
仮面舞踏会、いいなあ、一瞬16歳の頃にフラッシュバックした。パラ銀。さわやかなスケート少年たちの曲をいま42歳の親父が腰を振って表現している。お嫁サンバ、客席がかなり暖まっているのがわかる。ギンギラギン。うちわパフォーマンスのあたりから自然に手拍子が。ありがたい。

2楽章
ほとんどギターが演奏する涙君。ゆっくりとしみじみ演奏した。3楽章へ向けたインターバルも兼ねているので、力がぬけてやさしい音に。オーボエが美しい。アンケートでは、想像以上に好評だった。


3楽章
懸念だったオハロックのテンポ、少しもたついたか。でも全体の中で見れば問題なし。硝子の少年、もう少しかっこよく載れたかな?でもよし。KATTUN、テンポ・乗りともによし。僕の「ピートタウンゼント振り」に団員が演奏中なのに笑いこけている。ライオンハート。これもアンケートで好評だった曲。聴衆はやはり癒しを求めているのだろうか?そして最後のWA。2.D.Cの渾身のユニゾンがホールの天井をかっとんで行く。ノリノリのサンバのリズムが始まるや、あとは祭りだ。クラップ部分、僕は指揮台を降りて2NDのメンバーにちょっかいを出しつつ、パーカスブースへ。AGOGOを借りてボブさんのBongoと一瞬セッション。この瞬間が最高に楽しかった。そしてそのまま踊ろう隊と合流してフィナーレ。オケを約一周した。

楽しい!今の気分はサマージャンボ前後賞当たったとしても味わえないものだし、この喜びを得られたことはは綾瀬はるかと石原さとみが添い寝してくれる権利も放棄しても悔いないほどのものだ。


そして誰よりも、吉水先生、このメドレー本当に最高です!!
感謝の念を抱きつつ、退場し、2部に備えることにした

(後編へつづく)

2012年8月17日

夏合宿報告


夏合宿!


何が何でも最後の練習になる。悔いを残さず行こう!
といいつつ、僕は初日普通に仕事。定時にワイシャツを脱ぎ捨て、楽器を背負っていつもの黒Tシャツにジーンズスタイルに着替えると、上司の視線がイタイ。女子社員は「わあ、フリーターみたい」・・・って、ミュージッシャンと呼べ!

それでもちょっと遅れて、途中でアサヒ芸能で知的自己投資しながら予定より30分遅れで岩井に到着。

夜の岩井・・・暗くて怖いなあ。とりあえず合奏場に飛び込んで、初日の夜練習を30分ほど。ジャニーズです。気になったノリについて再確認。僕にとって「ノリノリ」とは、速度記号や表情記号と同様かそれ以上に重要なこと。

そもそもアマチュア指揮者というのは、みんなから立ててもらっている。
立ててもらっているからには曲をどこに出しても恥ずかしくない程度に仕上げ、かつ、お客さんに感動してもらえるステージを作る義務を負っている。
そのために、ああしろこうしろいうわけだが、その中にこのノリノリもはいっている。


何年たっても、何十年たっても、覚えている演奏ってあるだろうか?
僕はある。それは、正確無比で一糸乱れぬ演奏でも、超絶技巧の演奏でもない。奏者の気持ちが、狂おしいノリが、曲の霊感が、震えるほど伝わってくる演奏だ。

そういう演奏は生涯その人の胸に住み着き、その人の生涯を変えてしまい、時に人に感染する。結核菌みたいなやつである。

この合宿はそんな演奏のための最後のノリノリ闘魂注入儀式である。

1日目の夜はいい酒を飲んで3時頃就寝。翌日AMは最後のギターのパー練のあと、海にも行かずに歌本で数人と弾き語り。ああ、これがやりたかった。もう悔いは無い・・・。


午後は夜の通しに向けて合奏練。奏者も増え、いやがおうにも高まる緊張感。リズムはびしばし決まり、あいまいだった部分にめきめき魂が宿る。
そしてむしろ本番以上という噂の夜の通し。

余計なことは言わず、本当に通すだけ。もういわずともモチベーションは最高潮であり、音の怒涛を制御するだけ。合奏中、目で会話する快感よ。

これでいい。これでいい。もう練習したくない。小川君の曲も一発で通り。

シンフォニー
最高。まずは聞いてほしい I loveyouOK。ほとんどYAZAWA状態。


この曲を大人数でやることに確かに躊躇はあったが、今はやってよかったと思っている。発見、人数が増えると、樹齢が増える。


ジャニーズ
楽しい。5月からアホほど通したが、それでも今強烈に楽しい。

ペール
小川君てこんなに情念的指揮者だったっけか?組曲の色彩がきちんと切り替えられていて、飽きさせない。

火の山
なんといってもトリ。ここだけ重力の磁場がちがう。鈴木静一鑑賞の鉄則として、ナレーションをよく読み、映像的に聞いてください・・・。これは猛烈に泣けるわ。


練習終了まで30分以上あったが、もう練習の必要は無かったので終了。これって何年ぶりだろう。

打ち上げは、無茶な一気はしなくなったので、比較的平穏に。

翌日は、やっぱりちょっとテンション下がったか?昨日ほどののりは無いが朝だから仕方ないか。

Ob・fagさんも参加くださり、なかなかに豪勢な練習。

例によって子供の待つ実家に急ぐため一足先に離脱。電車ではY君と一緒になった。Y君、ふと電車の外の空を見上げて「夏の雲です」とひとこと。すでに初秋の兆しの見える羊雲の下にまだまだ盛り上がる入道雲。


そう、これからが夏なんだ。でも夏を強烈に意識するのっていつも夏の終わりなんだ。
半年間続いたバッカス22というこの物語ももう終わりに近づいている。

終わりだからこそ今強烈に思っている。「ああ、これぞバッカスだなあ」

アニバーサリーではないからこその、100パーセントの生バッカス、ぜひ聴きにいらしてください!


8/18かつしか、入場無料。値千金。裏番組をぶっとばせ。

2012年8月6日

た〇きん全力投球!!

さあ、本番までいろんな意味で貴重な日々だ。


練習の点描を。

7/21のゆとろぎは久々の練習場。
前回の杉並での音楽の遅れ・粘りで大反省後の練習。
速い曲での毎年の課題だが、天上が高くなると残響はよくなるが、音の返りが遅くなり、他人の音を聞いて合わせていると、これがどんどん遅れてくる。

ゆとろぎは天井が低い・・・せいか、この日の練習は打って変わって軽快なリズム感。こんなに会うのは天井が低いせい、耳に頼るなかれ・・・と釘をさして終了。にしても、今日のリズムは鋭く軽く楽しかった。久々に返りみんなと飲もうと思っていたのだが、練習は19時に及び、その後打ち合わせがあり、結局飲まずに帰ることに。。。


7/29下丸子
この日は出掛けにいろいろあって、13時の音出しに10分ほど遅刻してしまった。皆さんごめんなさい!!

obとfagの若い二人も初参加。良くさらってくれていて、とてもうまい。嵐・KATUN世代でしょうね。「たのきん全力投球」なんて知らないだろうなあ。
下丸子は天井が高くて、どちらかというと杉並タイプの練習場だが、この日のテンポも軽快でいい演奏。耳に頼らず自分でリズムを作るということ、みんなわかってくれたか。

ジャニーズも、にぎやかし(本番まで極秘)がはいって、大盛り上がり。みんなかなり体を動かしてグルーブしてくれている。時々奏者と目が合ってにやりとするんだが、この瞬間が楽しい!
曲、フィナーレで乗ってくるとみんな無我夢中で弾きまくっている。このとき僕は指揮台にいない。好き勝手なことをやっている。たぶん本番もそう。



8/4ハミング。
この日はじっくり練習できる最後の機会。同じ日に会場でムッシュかまやつと泉屋しげるのトーク&ライブが。練習場の隣の控え室で、ムッシュが歌の練習しているのを聞いてしまった!
この日はホルンさん&トロンボーンが入っての練習。いいなあ。入りもばっちりです。

1楽章はもう言うこと無し。みんな体を張って音を出してくれている。

杜はたぶん3月以来この日の演奏が一番来た。最後のサビで全奏者の心がひとつになり、一瞬だけ・・・泣いた。

ジャニーズも完全に手中に入った。あとはパフォーマンスの切れかな?でも最後のフィナーレはみんな笑顔。これはいい。


8/5ゆとろぎ(ゲネ)
は、家庭や仕事でギリギリの条件の中で限られた時間ゲネに参加。まあみんなそれぞれの状況の中で時間を都合してくれているので、僕だけ特別じゃない。
ゆとろぎの天井の高いホールでのゲネ。

シンフォニー、問題なし、天井が高いのにきびきびしたキレのある躍動感。自分の好きなタイプの演奏。

杜、ホールの響きがいいので良い。ただし速い部分が、みんな乗り切れていない。サビのうねりも、急に人が増えたせいか、昨日ほどの一体感が無い。でもまあよし。

ジャニーズ。メロディがキレよくいきいきと聞こえてくるのは○だが・・・油断だった。天井が高く、人が増えたのもあるが、特にリズム隊、速い曲がぜんぜん乗れていない。誰かがちょっと遅れると引きづられて、「周りを聞いてあわせる人」からどんどん遅くなる。悪夢の杉並シンドロームの再現。

指揮者が精妙にテンポを作りこむ曲はもちろん違うが、こういうPOPSは予備拍だけ見ればいい。あとは自分からリズムをつくり、キープする。
外から押し付けられたテンポで「去勢」された音楽より、多少ずれても自主的に生き生き動いているテンポのほうが絶対面白い。

指揮者(他人)に頼るな。主役は奏者(自分)だ。もちろんほとんどの人はわかってくれているのだが・・・!あえてここは厳しいことばを言わせてもらいたい!

本当に自分の担当曲で今気になるのはここだけ。


あとは合宿でさらに磨きをかけ曲に生命を吹き込む作業が待っているだけ。ああ、もう歌本解禁!ジャニーズに生命をふきこむにはみんなで歌うしかない。あるいはジャニーズ合奏しながらみんなで歌うってのはどうだろう。

あと2週間。全力投球で行こう。



2012年7月20日

噂の真相

夏だ!都市伝説だ!エクトプラズムだ!!というわけで毎年夏恒例のオカルトシリーズ。今年は噂の真相の3行記事っぽくまとめてみた。信じるか信じないかはあなた次第・・・。

使い古したマンドセロの弦を煮ると新品になるらしい。



さらに度数の高い酒で煮、その後冷凍庫で急激に冷やすと、超電導弦(?)となるらしい。



某邦人有名曲のギターの譜面に7つ目の音がある。



ピックに鼻の脂をつけると滑走アルペジオが弾きやすいらしい。




あるパートの譜面が写譜ミスで1小節多かったのに、同時に終わった曲がある。




NHK教育TVの人気者「うなりやベベン」は元マンドリン弾きという未確認情報。



クローズドノート舞台挨拶の沢尻エリカの態度は、マンドリンブームに危機感を覚えたCIAからの圧力との噂。



浄土宗の木魚のリズムは裏拍らしい。




某指揮者が帰りの電車で「マンドリン界のライブっていいよね」「チケット買うならマンドリン界だよね」と女子高生がしゃべっているのを聞き、顔を見ようと近づいたら「ワンドリンク有」を「マンドリン界」と聞き間違えていたことに気付いてがっかりしたとの情報あり。



深夜12時以降岩井海岸に行くときは奇数で行ってはいけないらしい。



鈴木マンドリンの5万のタイプの100本に一本くらいすごい銘器があるらしい。



鼈甲が手にはいらなくなった今、外来種ミシシッピアカミミガメが熱い視線を浴びているらしい。



ベースの弓で時々見る黒い毛、あれは使わないでしまっておくと時々伸びているらしい。



外科手術用の枕をマンドレストに使用するとすごくいいらしい。一部のプロマンドリニストが愛用中との噂。




2012年7月12日

わかちこ!!

新潮文庫「ザ・ベストテン」を読んだ。


キャスティング方式(事務所の意向が強く、視聴者が本当に見たい歌手が見られない)が当たり前の時代、当時革命的だったランキング方式を採用したTBSプロデューサー・山田修爾氏の著書で、番組の裏話、黒柳徹子や久米ひろし、その他時代を風靡したスターの楽屋ネタもたくさん。

ご存知のように、ニューミュージック勢やフジサンケイ勢はランキングしても欠席だったが、それを隠さずに視聴者に謝ってしまうスタイルは、かえってランキングの信頼性、芸能界のリアルさを僕らに感じさせてくれた。

猛烈に楽しく読んだが、失礼ながら一番夢中になって読んだのは、巻末資料の番組全603回の毎週の1-10位のランキング。

70年代、ピンクレディーやキャンディーズ、山口百恵が常連だった頃のベストテンはふしぎと僕の記憶に残っていない。

記憶に残っているのはやはり松田聖子、トシちゃん、マッチが出だした80年以降だ。この頃のこの3人の勢いはすごく、デビューから2年間はこの3人での1.2.3位独占状態がよく見られた。

ただ面白いのは恋のぼんちシートとかイモ欽トリオとかの「企画物」も意外に1位になる。マッチ最強の名曲「ギンギラギン」も、「ハイスクールララバイ」に何週間も一位を阻まれ2位に甘んじたことがあり、マッチが人前で「何で俺が一位じゃないんだ!」と叫んだというエピソードはたぶんこの時期なんだろうとニヤリ。

80年代前半といえば聖子VS明菜という図式を誰もが思い浮かべるが、聖子は明菜登場以前にすでに頂点を極めており、二人が実際に競合した時期は意外に短く、しかもその時期はすでに明菜の勢いは聖子を問題にしていなかった。

むしろ気になったのが河合奈保子。その活動時期をほとんど聖子とかぶってしまったために、聖子が太陽ならつねに月のような存在(そういえばムーンライトキッスとかハーフムーンセレナーデとか月のつく曲も多かった)。だが、地道に浮き沈み無く80年代以降、最後までベストテンの常連であり続けた・・・。さり気にすごい。もしも松田聖子がいなかったら、河合奈保子は聖子になれたんだろうか?・・・そればかりは判らない。聖子vs奈保子の図式のほうが個人的には興味深い。

一時期は明菜vsチェッカーズの時代が続き・・・そこに他のニューミュージック勢や少年隊や光ゲンジといった次世代のアイドルが台頭し、僕が愛してやまないあの80年代中盤の混沌とした世界に突入していく。ああ・・・もう語りだせばキリがない(今度誰か酒とギターを置いて語り合いましょう)

ランキングの表を見ながら、次々と登場する名曲を口ずさむのが楽しい。11年間のランキング上位曲、ほとんど歌えるのにわれながら驚く。

関係ないが無駄知識。

中森明菜の「スローモーション」という名曲があるが、あの曲は来生えつ子があの岩井海岸ですごした時間をイメージして作ったそうだ。

みんな岩井海岸にいったら「♪出~会い~は~♪」と歌いながらスローモーションで走りまわってみては。

2012年7月9日

♪いっそエクスタシー♪

7/7、ハミング。

雨模様のせいか、この日は11時の時点でメンバーのそろいが悪い。しかしよく見れば男女比は男1:女子10くらい?これはおいしい。楽しく談笑し若いエストロゲンを独り占めで吸収しながら和気藹々とセッティング・搬入。いきなりラッキーなスタートだ。




午前中、人数は少ないが、杜をじっくりと練習できた。うねりがすごい。
母校・鴻巣東小学校の校庭の大けやきが一瞬見えた。もう少しで泣くかも。



午後はパーカッションさんも入り1楽章。
さすがだなあ。最初から最後までとおってしまう。オケも完成しているからだが、パーカッションがはずさないので、何の問題も無い。
通した後に、ちょっとしたテンポの設定や音量の設定を直しただけで終了。



さて、ジャニーズだ。仮面舞踏会。要らない豆知識だが、ちあき哲也の当初の歌詞はもっと過激だったんだって。最後はバースデイ・スーツ(つまり裸)でベッドでタンゴを踊り狂うんだそうで、ずばり○○○○です。

少年隊のイメージにはアダルトすぎるとのことで、カットされたらしいんだが、「いっそエクスタシー」のとこでひざ立ちで腰振ってる時点で当時は十分失神モノだった。


この日はなんといっても「WAになって踊ろう」。最後のクラップ部分、パーカッションのボブさんがノリノリでボンゴをアドリブ演奏。これがもうむっちゃ変形のリズムを複雑にたたいているんだけどそれが全部つぼに入っているという神業演奏。


ボブさん完全に目がトランスしています。いやあ、楽しさがとまらない!!今年一番楽しいかもしれない。もうボンゴの音がイッちゃっているのがわかるのでみんな合奏中に笑っている。ライブなみに陽気に盛り上がって最高のfine。


これは、去年のマリオネットさんもそうだし、一流のミュージシャンから学ぶところが大きいのだけれども、一人がトランスすると、周りに伝染するものなのである。で聴衆もそこに引き込まれていく。こうなると、技術とかジャンルを超えて不世出の演奏になる。


ところが誰もトランスしないと、ついに最後まで曲に命が宿らず乗れない事がある。場合によっては、ひとつのコンサート丸々誰もトランス者を出さず終わってしまうこともある。これはこの世界では良くあるし、バッカスもそういう演奏をした(する)ことがある。


トランスするには、普通に弾けていれば十分。あとはリズムに乗りながら、曲想にシンクロして、恥ずかしい、とか目立ったらどうしようとか、僕(私)でいいのかな?とかそういう自意識を捨てて・・・なんていうのかな・・・自分を捨てて集団(オケ)を生かす、というようなそんな心意気が必要なのであろう。


これからの合奏は、そんな勇者を求む。

そして、そういう勇者の意気に感じて、全員が、よし自分も。と集団トランスしたとき、聴衆を巻き込んだ伝説が起こる・・・。



2012年6月25日

無心なる情熱

6月である・・・蒸し暑くて叫びだしたいほど不快かと思うと、明け方寒くて風邪をひきかけたり、日中夏日だったり。不安定な日々。世間でも変な事件ばかり起こる。渋谷や大阪で人が切られたり刺されたり。そういえばあの忌まわしい秋葉原の事件も宅間の事件も6月だった。あの明智光秀もプッツン逝ったのは6月だし、歴史上はもっとたくさんあるんだろう。6月とは恐ろしい時期である。

湿度が高すぎて楽器も不安定である。気圧が低いので、人もどこかテンションが低い。6月だ。6月が全部悪いんだ~っ!!

6/16の練習。
1楽章のシンフォニーは本当にオケ全員の気持ちが良くまとまった。気迫も十分。何年かぶりに安心して、自信たっぷりに聞かせられる曲。一曲目からこんなに盛り上がっていいんだろうか。

アンコールの話し合いも。一時期「2億四千万の瞳」を今回のアンコールに考えていて、聞きまくっていた(今回は違います)。曲も最高にいいが歌詞がすごくいい。特に2番「抱きしめて/男を女をハーフを」って。中学生当時、この歌詞は衝撃だった。男と女以外に中間がいるのか・・・悩んだ末「ピーターや相良直美みたいなもんかな?」と無理に納得していた。

この日は杜を中心に。
かつて内藤正彦さんが武蔵野の地下水をテーマに水琴くつのイメージで天国的に美しい曲を書いていたが、その美しい地下水を吸い上げ立ち尽くす欅の巨木のイメージ。杜は本当に良くなったが、なんだろうこの飽和感。

みんなもう完全に手の内に入ったのだが、そこから先にいけない。ディテールは正確になってくるが、曲の荒々しいみずみずしさ・色彩感が磨り減ってきた。ここからがむずかしい。

今度みんなで練習帰りに大きな欅に耳を当て、木が水を吸い上げる音を聞いてみようか。音がするとは聞くが、実際聞いたことは無い。うねる梢も、葉を鳴らして渡る風の音も本物を聞きたい。

6/17、練習を見ている某高校の引退式。今年もなかなかにいいメンバーで、県大会でいいところまでいったんだが僅差で全国にいけず。愛の悪戯をすごい大人っぽい解釈で演奏したので、音楽性は図抜けていたんだが・・・。

みんな始終大泣きであった。2.3年生で最後の合奏は思い出のRURUを。状況が状況だけに胸に迫ってくる。自分の高校のときの山岳部の引退式を思い出した。
夏休みも終わりの昼さがりの生物室。女子は泣いていた。男子は泣かないように平然を装い後輩へのメッセージを順番に語った。
僕は笑いを取ろうとしたが、微妙に滑っていた。最後に部長のKがしゃべり始めたが、ことさらに無表情に淡々と思い出を語るだけだったが、ふと下を見ると必死にいすの足を蹴っていた!奴なりに感情をこらえていたのだろう。なぜだか僕まで涙がこらえきれず、体が震えて困った。

女子校マンクラの話に戻る。
いつかも書いたが、この引退式での演奏が毎年すごい。もはや全ての義務感から開放され、無心に合奏を楽しんでいるのだ。明日からもうマンドリンを手にすることの無い連中のひたすらまっすぐな音。

これだ。いまの「杜」にはこの無心な情熱が足りないのかな。年齢は関係ない。アルコールや言葉で汚れた体と精神も関係ない。
音楽はそういうものに関係なく、人間を平等に、得がたい喜びに導いてくれるものだ。無心なる情熱こそが奏者と聴衆の心をつなぐと思う。

さあ、次はもう7月、いよいよクライマックスに突入。

2012年5月29日

5月の点描

春合宿の翌週、はやくも下丸子。大田区民センターは音がいい。


この日は杜の鼓動・ジャニーズ。
このホール、杜の鼓動にぴったりだ。

ただしみんなの気持ちが合うまでに少し時間がかかるようだ。
最初の一音こそもっと気持ちをこめたい。


音楽は時間の芸術だから、最初に気の入っていない音から始まると、もう曲の入り口に入れない。もう一回戻る・後から挽回していく、なんてことはありえない。最初に一番いい音を出せば、聞く人はいい印象ですんなり曲の世界に入っていける。後が楽なのだ。



予備拍に全ての準備を追え、音を出すと同時に終わってる・・・くらいでないと。音が出てから周りに流されてなんとなく気持ちを入れていく・・・じゃ絶対におそい。いわゆる何が言いたいかわからない演奏になる。


それだけではない。自分がコンサートを聴きに行くとき、最初の何十秒かは楽器の音に聞き入るけれど、人間てすごく飽きっぽい。どんなにきれいな音でもすぐに飽きて音の背後にあるものや奏者の表情やキャラクターに関心がいく。結局人って楽器の音よりもその背後にある情熱やドラマ・奏者の人柄を聴きたいんじゃないだろうか?

そういう意味では杜の鼓動、練習の最後の演奏はとても良かった。さびの部分よくうねっていた。短い曲(フレーズ)なのだけれどこの4小節に生命力の嵐を感じた。

吉田松陰の「留魂録」に、どんなに短い人生であっても春夏秋冬はある。たとえ少年の身で生を終わろうともそこにはかならず人生の起承転結がある。というような言葉があったけれど、確かに杜のたったこの4小節のなかに、どんな長大なシンフォニーにも負けないドラマがある。


もし自分が、人生で後1曲しか弾けないとしたら・・・・と想像してほしい。その勢いで弾いてほしい。大げさで芝居じみているけれど、これこそが曲想というもので、音楽の本質なんて以外とそんなところにあるんじゃないか?

杜の鼓動は生命や自然の深奥に触れさせてくれる曲。




そしてジャニーズ1楽章。

お嫁サンバが来てるなあ・・・。日本の三大サンバといえば、てんとう虫のサンバ、お嫁サンバ、マツケンサンバだが(勝手に決めるな!)やっぱお嫁が最高っす。お嫁に行く人にむかって”いかないで/ひとりのものにならないで”だもんなあ。ようは「結婚なんてやめて、もっと遊ぼうぜ!」ってことでしょう?

郷ひろみって、何年かに一度色物系の曲を出すんだが、これがまたブームになる。「カサブランカ」とか「SexyYou」とか「禁猟区」とか、基本カッコいいんだけれども。時たまかますステ曲が魅力でしょうね。郷ひろみと言えばみんな盛り上がるのは「エキゾチックジャパン」だよな・・・・。どこかで狙いたい曲ではある。


とりとめも無いが、次回は、1楽章のシンフォニー、ジャニーズ3楽章なども。



2012年5月7日

再開!2012春合宿報告

ほとんど8ヶ月死んでいたこのBLOG・・・春合宿を機に勝手に再開!

過労死寸前40代の心の叫びを聞け!というわけで合宿について報告しつつ今年の曲目等についても。

今年は仕事と育児で練習のフルタイム参加が難しく、大トリは小川君にまかせることに。

まず大トリは静一ワールド最後の砦「火の山」・・・ついに踏み込んでしまった。大自然と人間との果てしない戦いを描くという大きすぎるテーマで、いつにもまして静一ワールド大全開。
去年の3.11を意識したわけでもないが、少しそういうことも考えた。

で、2部もう一曲はペールギュント。これはシンプルながら美しい名曲。マンドオケでも違和感のないポピュラークラシックの名曲。であるが帯に短しで、なかなかステージには乗らなかった曲。今回大トリの重さとの対比でやっとデビュー。小川君の編曲で理路整然とした美しさに仕上がるはず。

僕の担当する1部はまず一曲目はヴェルキの一楽章のシンフォニー。これは僕のイチ押しの曲だけにうれしい。ヴェルキの大編成時代の曲の中では最高峰ではないか?

2曲目はもはやマンドアンサンブルのシンボル的名曲となった「杜の鼓動-魂の還る場所」。いまどきはYOUTUBEでこれを聞いてマンドリンを始める人もいるそうで。丸本さんのその人柄を髣髴とさせるこのメロディを大所帯で表現するには・・・。音量よりも広がりとうねりの幅と見た。

そして・・・今年の企画。いくつか考えて、ある程度頭の中で作っていたのだが、今年は何しろ毎日終電で入力の時間がない。

いろいろ経緯があって、吉水先生が去年米子MOさんのために作られた「ジャニーズに首ったけ!」の存在を知り、先生自身に問い合わせて曲目を聞いた時点でほとんど狂喜、米子MOさんのすぐれた、また楽しそうな演奏も聴いた上でこれしかないと決断。そのむね団員にもOKをとり、吉水先生にも許可を得た・・・。

僕のマニアックな楽理無視のなんでもありの編曲を面白がってくれる皆さんには申し訳ないが、企画ステージはそもそも僕などの編曲作品を発表する場ではなく、奏者とお客さんで楽しむためのもの。

僕の編曲は、その地域の出身者にしか珍重されない郷土料理のようなものであるが、吉水先生はさすがに一流のシェフであり、その選曲・構成のセンスはもっと広く愛され楽しまれるべきものだ。これを僕がバッカス流に指揮・演奏し、お客さんと楽しむことができれば、それで企画ステージの意図を達成できるのではないか。


さて、合宿。連休前半は、比較的のんびり子供と遊んだり、午後から出社したり。出勤日の後、3日大雨の岩井へ。

まず一日目はジャニーズから。いやあ楽しい。ただ、合宿のメンバーには初見の人間も多く、ややこしいリズムや、タイを多用するメロディにやや難渋している様子。

仮面舞踏会とかかっこよすぎるし。練習の合間80年代仲間で、実は加山雄三は確信犯だったのでは?などと盛り上がってしまうのは言うまでもない。
お嫁サンバ・ギンギラギンの流れは気が狂うほど楽しい。やっぱりジャニーズはいい。

今回はギターパートでの参加を断念したため、自分の練習以外ではスコアを読んだり、第三者の耳で聞いたり、休んだりして、それもまた新鮮だった。


一日目の夜は12時過ぎから飲む。普段みんなと飲めない分、この日は大吟醸を次々と空にし、4時近くまで気の会う連中と談笑・・・。やっぱり合宿はこれだ。

翌朝はギターのパー練をした後、みんなは海へ禊に。僕は前夜の寝不足がたたりダウン。今年は若い男子が複数突入したらしい。お約束のポロリもあったそうで黄色い悲鳴とカメラのフラッシュが多数ひらめいたとか。今年は全体に男女ともに若がえった感じがする。「きゃりーぱみゅぱみゅ」とかまずに言える若人がうらやましい。

さあ午後。4月の時点でもう通して振っているシンフォニー。これはみんなもうがっちり弾けているので、後の課題として1ミリの狂いも許さない精巧な鉄筋コンクリート建築のような音楽にしたい。普段「合わせなくていい」といっている人間が、ここまで合わせにこだわる意味をわかっってくれたろうか。

ペール。編曲はすごく洗練されシンプルで最小限の音しかないのだが、とてもよく鳴って美しい。朝・オーゼ、どれもトレモロの波がきれいに曲にはまっている。弾きやすいということもあるだろうが。これも想像以上によく、みじかいのがもったいない。


そして夕食後、再びジャニーズ。昨日はとくに3楽章がほとんど音が取れていなかったが、24時間後、別人のように音が取れていた。3楽章、90年代以降の曲が多いので、僕は1楽章よりとっつきにくいのだが、若い世代はもちろんこっちのほうがなじみがあるだろう。おはロックはなにか仕込ができそうな素材。ガラスの少年は、アレンジも渋い。リアルフェイス・・・これは難しい・・・でもYOUTUBEで原曲を聞いて覚える。弾けるようになると、やはりかっこいい曲。

らいおん・ハート。こんないい曲だったっけ?かなりきれいでおしゃれなアレンジである。そしてWAになって踊ろう・・・。これは日本のソウルミュージックの名曲である。ぜひ参考としてV〇ではなく角松敏樹のライブ版(これもYOUTUBE)を見てほしい。(そしたらジャニーズじゃないじゃん!)


そして火の山、この日は通し中心で、やっとこの大曲の全貌が見えてきた!
全曲一分のすきもないほど濃い曲である。結局なんだかんだいって、今年もエネルギー使う曲だらけである。


2日目夜の大打ち上げ。新人紹介が多く、明らかに世代は変化しつつあるようだ。もちろん復帰組も多い。自己紹介では一人の例外も無く質問タイムでのつっこみに爆笑が起こる。

飲みも佳境に入りふと気がつくと、むくつけき男4人と新人を交えた女子4人とで差し向かいで飲んでいた。なにか昔の部活を聞いて、そのコスチュームを想像して萌えようという鉄板ネタの提案があり、女子に順に昔の部活を聞くことに。

ある女子は女子高の演劇部だったと。すると某が、女子演劇部の男役は、男の立ち居振る舞いを身につけるために普段からソーセージを股に入れているのは本当かと問い詰め、周りからとめられていた。
また、ある女子がテニス部と聞くと某はスコートについて熱く語り始めた。
また某は女子剣道着の話からなぜか薙刀最強論を熱弁し、まわりから「女子ポカンとしてますよ」とたしなめられた。

僕は吹奏部出身という女子に、憧れの先輩から「ヘタクソだなあ、こうやって吹くんだよ」と楽器を取り上げて吹かれ、それを返された場合、そのまま拭かずに吹くのか、と日ごろの妄想を全開にして聞いてしまった。

その後男のほうも過去の部活を告白したが、僕が中学時代バスケット部だったというと、同じくバスケ部だった某に「ポジションどこでした?」と聞かれたので、キョドってしまった。バスケットにポジションって・・・あったっけ?

バッカスの仲間が長続きする秘訣は、飲みでなまじいな音楽議論をしないところにあると思う。飲むときは徹底的に楽しく飲めばいいのだ。

というわけでキャバクラなら高いだろうなあ・・・という楽しい夜をすごしたのであった。


翌朝、僕の都合で1部三曲通し。1楽章も杜も、もう仕上げといっていいほどの出来、ジャニーズも飛躍的に音がとれなんとか通し、今回も実りある合宿となった。


みんなより一足先に内房線に乗り込み、うとうとしながら考えていた。
昨日の飲みでの話題で、その風貌とキャラでわが団の人気者某(男)が数年前の打ち上げにピンクレディのUFOの衣装(銀のうろこのワンピースだ)を着て登場したことがあり、それが妖怪「油すまし」に似ていた、いや「子泣きじじい」だ、いや「小豆とぎ」だと論争したのだが、子供の頃見た水木しげるの妖怪百科を思い出しながらいまふと気付いた。そう・・・あれは「ひょうすべ」だ!

ぼくは内房線で一人吹き、周りから怪訝な目で見られた。
去年もそうだがバッカスの合宿の帰り道には思い出し笑いが付き物なのである。