熱い!
何がってバッカスがである。ゲネでは初めてはげ山・展覧会・アンコール・エンディング全曲を通した。疲れる。予想はしていたが肉体と精神の限界である。
はげ山はかなり楽しんでいただけると自負してはいるが、まだ演奏がばたついて呼吸と余裕が無い。このまま自信なさげな顔ではお客さんが安心して聞けない!奏者自身がもう少し楽しめるように、合宿でイメトレが必要だろう。もうス○ラーを踊るしかないか?演奏中の小細工や絶叫も何箇所か増やそう・・・。
展覧会は、前半はそのまま本番に乗せても十分なほどすばらしい演奏だったが「ひよこ」で走ってしまい、合奏がくずれた。その後「サミュエル」から集中力が切れて、ゆるい演奏になってしまった。が、バーバから持ち直してキエフでまたしても桃源郷に。
今回の編曲のキエフのメロディの「ヤン・パーン」はラヴェル版や原典版を聞きなれた人には奇異に思えるだろうが、この装飾音をあえて8分にしてしまったところに編曲者の天才たるゆえんがある!こういう編曲がほかにあるか寡聞にして知らないが、これによってものすごくこのメロディが深く、熱く、全員の呼吸が一致するのだ。
汁が止まらない!全身から、両目から!
アンコール・エンディングはかなりハードである。お客さんにとってはかなりへヴィかもしれない。おそらく胸焼けを起こすお客さんが多いであろうが、これも1年に一度と許してあげてほしい。
まだまだ一進一退である。でかした!と絶叫したくなる箇所があれば、思わず苦笑がもれてしまう箇所もある。しかし、迷わない、うろたえない、あせらない・・・オケ全員が指揮を見てほしい。見てくれさえすれば、絶対に天国に連れて行くことを約束する。われながらとんでもない自信だが、これくらい気持ちを高めないと本番までいけないのである。
阿久悠が亡くなってしまい、また昭和が遠くなった。NHKの特集を見ていたがこの人の詞の世界、本当に昭和そのものだ。
この人の功績は、国民永久栄誉賞5回分くらいに値するに違いない。日本人なら誰もがこの人の詩を口ずさみながら青春を生きて、そしてこれからもうたい続けながら死んでいく。こんなにすごい人がいるだろうか?
一人手酌でのみながら聞いていると、つくづく両目から汁がとまらない。
今回団員からアンコールにUFO・サウスポーメドレーをという声も多く、大いに食指は動いたが、これ以上曲を増やすことはオケの負担やコンサート全体の構成からもはばかられ、無しになった。が、偶然はげ山の終曲が阿久悠の名曲なので、これで我慢していただこう。
指導している高校生たちの夏の曲はアンダーソン3曲。シンコペーティッドクロックと舞踏会の美女とプリンク。本当に楽しくていい曲。舞踏会だけは僕の編曲で、一番難しいが、後半転調してからのマンドリンのオブリガートが天にも登るほど幸せ。この部分をやりたくてこの曲を編曲したといっていい。
長年の夢だったアンダーソン三昧・・・1年生は始めて知るであろう演奏の喜びに満ちているし、2年生は技術的にリードしつつ嬉々とした演奏を聞かせてくれる。聴いていてこんなに楽しい演奏は久しぶりである。
しかし、生徒たちからこのたはごとを読んでいるといわれて、また汁だく。
このたはごとは未成年は読んじゃだめである!