2007年8月20日

バッカス17本番レヴュー(前編)

史上最強のプログラムとなったバッカス17。逆境の中、かえって連帯感を深めハイになり盛り上がった本番前夜であったが、はたして本番当日は・・・。
また今年も力の限りレヴューいたします。

8/18日は連日の猛暑の中でそこだけぽっかりと涼しい日となった。幸先よしである。
僕にとって板橋は東上線で15分。余裕を持って会場に到着。板橋は第10回で過去に演奏しているが、そのときは合わせにくい・響かない。そんな印象があったので、今回改修済みとはいえどきどきであった。

やや緊張気味の団員たちと挨拶を交わしながら、セッティング。緞帳・反響版がやや奥にあるので、使えるスペースは思ったより広くない。団員の意見をもとにいつもより扇形(八部開き)の隊形をとる。1ST・ギターの表面板を正面に向かせる意味もある。(後にこれは正解であったことがわかる)
すぐに練習となる。音響を聞くために客席を歩き回っていると足にイヤな感触が。通路のじゅうたんがいやんなるくらい毛足が長くてふかふかである・・・。そうか、前もこうだった。これは響かないな・・・案の定、客席からだとオケの音が妙に遠くに聞こえる。じゅうたんに音が20パーセントは吸収されているのだ。

紙・布がどれほど音を吸収するかご存知だろうか?ステージ上なら譜面、着衣は恐ろしく音を吸収する。全員の譜面カバーの厚紙を1枚取ったら響きがぜんぜん変わったことすらある。まあ、そんなことをいったら、暗譜・全裸で演奏するしかないのだが・・・まさかお客さんに裸でお聞きくださいとはいえまい。

とにかくこのじゅうたんは僕をがっかりさせたが、あれから7年も修羅場をくぐってきたのだから打開策はあるはずだ。冷静になってみると意外な長所があった。響きすぎないことでステージ上で他のパートの音がよく聞こえるのだ。
これは音響の問題というより、指揮者と奏者の能力・賛助さんとのコミュニケーションの向上の成果と思いたいのだが、絃、管、打の響きが、いつもよりほとんどズレない。毎年悩んでいた大規模マンドリンオケの悩みがかなり解消されていた。

反響板の効果を見定めてオケを奥に配置したのもよかったのだろう。いつに無く合わせやすいのである。あとは音を前に出すだけである。それには背を丸めないで姿勢を良くし、表面板をやや上に向けて、折角出した音を直接じゅうたんにぶつけないようにする。
とおしでクタクタになったが、音さえ遠くに飛ばせれば成算が見えてきた。

写真撮影後、パートごとに談笑しつつ比較的リラックスして夕食をとると、もう開場である。今年は早い・・・いつもながら期待と不安で快く高鳴る胸を押さえつつ袖に並ぶ。
根拠地・船堀を離れたので正直お客さんの入りに不安があったのだが、入場してみるとおびただしいお客さんで客席が埋まっていたので、内心狂喜した。
(結果的には、立ち見が出た去年並だったらしい)
船堀からついてきてくださったお客さんもいらっしゃるとのこと。ありがたいことである。

さて、いよいよ開演。1部は小川君のステージである。YASUKOさんの曲目アナウンスの後、この日の第1拍目が打ち出された・・・!
(後編に続く)