2007年8月16日

合宿&本番前夜

半世紀ぶりの記録的猛暑の中、今年も夏合宿が開幕した。本番前なので駆け足で夏合宿報告を。
僕はこの日有休をとったもののAMは会社に。4時からの参加となる。サプライズ用の譜面をガラガラの内房線の中で書く。定宿・川きんにつくと2日目の最大人数に届かないとはいえそれでもホールはむんむんの人いきれ。この日は合宿初日とはいえのっけから白熱した合奏。O君も僕も合宿特有のリラックスモードながら、妥協をゆるさぬ練習ぶりであった。
この日は22:30過ぎに練習が終わったが、合奏の気迫に影響されたか、深夜までパー練・個人錬をするものが多い・・・。
この日は深夜阿久悠追悼弾き語り大会か、ホラーパニックにちなんで怪談百物語をやるつもりだったが、いつになく真剣モードのみんなに圧倒され、すごすごといったん休憩することに。ところがこれが不覚。連日の残業疲れが出たのか、なんとそのまま朝まで寝てしまい、一日目の打ち上げに参加することが出来なかったのである!

しかし翌日はかつてないほどさわやかな朝を迎え、パーレンの後、海へ。今年は女子の水着のご開帳が極端に少なく、メタボ腹の中年だらけの水泳大会となった・・・。たとえ様もなく悲しい。やはり去年断行した伝説の男女混合騎馬戦が仇となったのか・・・。
午後は夜の通し練に向けて、細部にいたるまで徹底的な練習。中途参加も増え、ホール内は立錐の余地もない。練習自体は笑いが絶えない合宿モードだが、徐々にいい意味で緊張が高まってくる。夕食の後、ついに本番を除けば一番のテンションとうわさされる2日夜の通し練。もうここまで来ると指揮者は団の士気を上がるままに任せている。奔馬を抑える要領である。

そして通し練!1部から曲順に。威風、これはやはりマエストーソのメロディがたまらなく幸せである。このメロディをこの仲間で弾いていれば怖いものなんてなにもない。どこにだって、そう深夜の新宿ゴールデン街だって行ける。
ヴァージナル。1movがかっこいい。僕が実は一番すきなのは3mov。フィナーレの坂野先生言うところの「海に出たところ」が胸がかきむしられるようだ。
ガラシャ、これは今までのガラシャではない。指揮者にいわせると「新ガラシャ」だそうである。

2部、ホラーパニックは新しい小細工も加わり、絶叫隊も加わり、音楽はにわかに飛び出す絵本ならぬ飛び出す音楽に。変であること。気持ちいいこと。よく考えるとばかばかしいこと。そして以上の3つをこの上なく真剣にやること。これが今年の企画のテーマである。
そして舞台と客席がそれを楽しめますように・・・。

展覧会もどの曲も真剣勝負である。もう散々書いたことだが、まったくO師の編曲は常人の感覚・発想を超えている。何度合奏しても新しい発見がある。これがもう練習できないなんて悲しすぎる。後また何年かしたら絶対に再演したい曲である。キエフの最後の「ヤン・パーン」は一人残らずこちらを見るまで待ってから、もう鳥肌と汗と涙でぐしゃぐしゃになりながら全員で魂をぶちまけた。これは一生物の思い出である。

本番のような静寂の中、通しを終えると,おもむろなまえ振りに続き、この日三十路を迎えた団員&ご結婚されるに団員に対し暖かいサプライズ演奏のプレゼントがあった。その後は怒涛の打ち上げへ。
いつものように鳴り止まぬコールの中、宴はいつ果てるともなく続くのであった。

それにしてもエンディングのバッカナール。これは例年になく快速である。
毎回弾けない弾けないといいつつもなんとなく勢いで弾けて(聞こえる)のはなぜだろう?
音楽を志すものは美と音楽の女神ミューズにつかえるはずなのに、われわれは対極にある酒と収穫の荒神・バッカスにつかえる数少ないものたちなので、応援してくれているのであろうか?

ならばバッカス神よ・・・今年も本番は勿論の事、我々の打ち上げをぜひ盛り上げてやって欲しい。
本番前夜、今は人事を尽くして神頼みなのである。