2008年5月15日

「成増・80年代・春合宿前後・その他よしなしごと」

4・5月と会社の工場の引越しがあり、またしても大忙し。更新の暇が無く小ネタばかりなので以下連記。
本社工場が成増を去ることになった。成増・・・僕にとっては神保町ほどではないが思い出深い街である。初めての一人暮らしもここであった。
僕にとってこの町のファーストインプレッションは必ずしもよくなかった。一人暮らしをはじめたその日に、家電製品を買おうと用意した大枚20万近い現金入り財布を盗まれてしまったのである。(正確には公衆電話に財布を置き忘れたのを持ってかれた)その後、僕は新入社員でありながら初給料日までもらい物で極貧の生活をすることになった。
夏になると、僕の住んでいた場所は周りに学生や独身者のアパートが多いせいか治安が悪かった。夜パトカーのランプで目を覚ますと、窓のすぐ下に止まっていて、今つかまった侵入犯への尋問が「警察24時間」そのままに聞けたこともある。深夜の成増駅で相撲部同士の乱闘にまきこまれた事もある。
しかしフォローすると、飲食店はたくさんあって、食事には困らなかった。成増駅南口の「どん」の焼肉丼はB級グルメの知るひとぞ知る名品なので一度お試しあれ。基本的に立ち食いそばの店で、だしは僕好みの真っ黒い濃い口の純関東風。

月曜やっているスマップのスペシャル番組で、80年代バンドの雄、バービーボーイズが一曲だけ再結成・演奏した。このたはごとでも何度か書いているが、バービーは僕の神様である。とくにいまみちともたかのギターが無かったらギターを弾き続けようとは思わなかったろう。解散後17年目にして一夜限り再結成したのだが、感無量であった。引きの画像でぱっと見て「変わってないな」と思った。特に杏子はアップにならない限り昔とさほど変わらない。コンタは結構・・・変わっていた。それでもこの年齢にしては奇跡的に若い。あの独特の声も健在。張りがやっぱり落ちたか・・・でも味がある。
イマサのギターの音はぜんぜん変わっていない。小磯もエンリケも外見はともかく音はぜんぜん変わっていない。すごいことだ。胸が熱くなった。
しかし曲が「女ぎつね・・・」というのはデビュー当時からのファンはちょっと欲求不満だろう。できればマイナーだった初期・中期の名曲をお願いしたかった。「負けるもんか」とか「なんだったんだ7Days」とか。
それにしても今年の企画がBackto80'Sだから言うのではないが、今本当に80年代がキテる。洋楽でも邦楽でもだ。やはり今の厳しい時代、底抜けに明るく、みんなハッピーだった80年代が渇仰されているのか。


今年の連休は思い切って9連休としてしまった。去年の9月からほとんど有休を取っていなかったのだからこれくらいはいいだろうと自分に言い聞かせる。
家内と音楽寺にいったり羊山公園に行ったり、近場の定番秩父でいろいろと楽しむ。海外に行く人から見れば涙が出るほどつつましい連休である。
音楽寺というのは秩父の巡礼寺である。その名にもかかわらず音楽とは何の関係も無いらしいが、やはり音楽関係の願掛けで有名な場所で、コンクール入選やらヒット祈願やら、絵馬ならぬチラシやポスターが大量に貼ってあり、それを見ていくのもなかなか楽しい。何年か前、なぜかバッカスのチラシが貼ってあったことがあり驚いた。どこのどなたが貼ってくださったのか・・・ここ数年、いつの間にか1年の音楽活動の報告とかコンサートの成功の祈願をする習慣ができてしまった。禊を除けば無宗教の自分にして唯一の神頼みの場である。

その後数日は練習したり釣りに行ったり実家に帰ったりして楽しむ。実家で新しく猫を飼っていて、これがすごい人見知りなのだが、尻尾の付け根(背側)を刺激するというわが秘術を駆使し(おためしあれ)、だいぶなついたところで明日は合宿・・・。

合宿は今年も岩井である。初日からかなりよい陽気であった。
「BackTO80'S」をおひろめ。みなリズムでてこずっているが、基本的には必ずどこかで聴いている曲だ。「SWINGIN'THE Mandolin」のときのような、「これできるの?」的ヤバさは無い。
またいつか詳細に種明かしするが、思ったよりメロディが浮き立たなくて何がなんだかわからない曲もあるし、テンポが乗らないとかたちにならない曲もある。しかし、そのうちの何曲かは初見にもかかわらず非常にいい出来であった。これは楽しみである。ご期待あれ。
シリウスは相変わらず難しいが、オリジナル版のギターの譜面の音をとってみたら、合奏用のギターパートの5倍くらい難しかった・・・。これくらいで難しいと言ってはいけないのである。
くるみ割りは非常に念入りに出来た。小序曲はやはり難しい!しかし課題だけは発見。アラブなんかはかなりよい出来。どの舞曲も2.3歩前進したが、中でもワルツが大躍進。とくに中間部のフルートと、低音部のあのメロディは、本番4ヶ月前にして天国的な出来である。これも本当に楽しんで弾ける・聴ける曲。
交響的前奏曲は、もしかしたら吉水さんの作品で一番深い深い曲。すごい名曲の予感。やればやるほど発見がある。
華燭はおなじみ。マネンテは本当に安らぐ・・・。
一日目から宴会。珍しく僕も参加する。なかなか楽しめた。2日目の名物行事「禊」はついに僕は引退!今年は若人に任せた。写真が出ると思うが、なかなかいい走りっぷりだが、海に入ってから歩いてしまった。甘い!三浦半島まで走るつもりで海を駆け抜けるのが禊だ。
終わったあとの男女混合ビーチドッジボールがとても楽しかった。
2日目夜の最高のテンションによる合奏。合宿で一番厳粛で心地よい緊張感に浸れる時間だ。この時間は本当に団員の気持ちがひとつになっているのがわかる。目の光が違う。もっとも、この後打ち上げだという期待感や開放感に由来するのかもしれないが。したがって打ち上げ本番は最高の楽しみである。わが団の美点として、打ち上げでしかつめらしい論議なんてものはしない。全員が気さくに酔い騒ぐ、まことに底抜けに明るい打ち上げであった。この日僕はちょっと疲れて2時半に就寝。
翌朝、録音もかねて通し練習。合宿後の練習への課題を確認しつつ、3日間の日程を終了。今年は全体に余裕があり楽しい合宿であった。また、合宿では若手の台頭も著しく、毎年つぎつぎ若い方が参加してくれるのがうれしい。ともあれ、合宿係さん、川金のおかみさん、ありがとうございます。
ああ、今年もこんなに楽しく、事故も無く合宿が出来た。みながそれぞれ忙しくなる中、いつまでこんな事が出来るだろう。これを当たり前と思ってはいけない。気の合う大勢の仲間とこんなことが出来るのは本当はとてつもなく奇跡的に幸せなのだ。
自戒の念をおぼえつつ帰宅。
春合宿が終わった。