2010年5月7日

春合宿≒珍世界<震世界

さて!春合宿である。前夜に子供と家内を群馬の実家まで送ったので、群馬の木崎駅からの参加。したがって1時間ほど延着。合宿所につくと4楽章の譜面が上がってきた。小川君ありがとう。そして3楽章は先週もらった。大村君ありがとう!

午後からの合奏はいきなり一番の難曲3楽章。今回の合宿の道中はいつもの愛読書アサヒ芸能も読まずに、スコアをたっぷり読み返してきたおかげもあって、パートの出、音量・テンポの指示がさえる。みんなも初見とは思えないほど良く弾ける。結局、通ってしまった。

夜は4楽章。これは技術的には難しいが、終始安定した4拍子なので、通せば通ってしまう。なによりも最初のドラチェロのメロディが鳥肌が立つほどしびれる。普通ならピッキングで引き飛ばす頭箔の4分音符も、じっくりうたいこむことで、かなり分厚く荘厳なハーモニーに。

なんと初日に大曲2曲が通ってしまった。何事も予習と集中力だ。これを高校受験くらいのときに気付きたかった。夜は1日目からの飲み会。少しだけ顔を出す。1時間くらい話をして寝た。

2日目はギターのパーレンをしたあと海へ。今年のミソギストは清久氏と石川君。海にダイブ付き。まだ寒いというのにほんとうにアッパレではあるが、なんだか去年もこの二人じゃなかったっけ?ここ岩井の海神くしなだ姫は、若いぴちぴちした男がお好きであろうからちょっと心配。来年はぴちぴちのイケメンをささげます、と心に誓う。

午後は企画ステージ中心。ドリフは楽しいし弾けて来た。あとは笑顔で楽しいノリを出せるか。音楽にはいろんな側面があるけれど、これはコントのノリなんだけどなあ・・・。指揮者自身が振るのに必死なのかもしれない。まずは自分が暗示にかからないと。

龍馬は、冒頭のソロアンサンブルがイマイチ決まらない。のでリズムがはいってからもイマイチ締まらない。それ以前にむちゃくちゃ難しいということもある。篤姫はすごくいい。やはり一曲はこういう歌えて泣ける曲がなくては。新撰組は文句なしにカッコいい。滅びの美学。

夜の合奏はいよいよ新世界全曲通しである。昨日譜面を配られていきなり新世界全曲。すごすぎである。おもえば、第10回がおわった頃から冗談半分で、20回まで楽団があったら新世界全楽章でもやろうか?といっていたのだが、本当にこの日がこようとは。僕のこの感傷が伝わったのか奏者の士気は高く、音圧はいつもの1.5倍だ。1楽章は技術的な最難曲であるにもかかわらず破竹の推進力で、2楽章は思わず涙腺が危うくなるほど美しく、3楽章はリズム的難曲であったが最後まで通り、4楽章は豪快な響きで大団円で終わることが出来た。1&2は振って、3&4は叩いて一応通ったのである。

以前演奏した新世界の編曲は、金管パートを主にギターに振っていた。金管が肝となるドヴォにおいては当然物足りない。原曲愛好者からしたら「珍」世界だったろう。今回は金管パートが無理なくドラ・チェロにふられトレモロとピッキングを上手く組み合わせて、メロディが立つように工夫してあり、オリジナル(管弦楽)のラウドネス・音色の多彩さにはかなわないとしてもこの震えるような音の洪水にかならずや驚いてもらえることだろう。

ドヴォルザークは本当に自分の地のキャラクターで振れる。同じ高血圧、高コレステロール系だし。鉄オタ、鳩飼育オタというなにか偏執的なところも似ているし、音楽がむずかしすぎない(けして簡単という意味ではない)ところもいい。1部はといえば、舞踊風もオリジナルの快速で飛ばすし、パストラも小川君の棒で、相当濃く練りこまれてきた。

2日目の夜、打ち上げである。いつもながらにぎやかに始まったが、今年もまた結婚や出生まどのおめでたい報告が続いた。今年も新人さんがたくさん入ってくれたのだが、この合宿の打ち上げには、若い男性の新人が多く、女子新人へのいつもの質問タイム「どんなシャンプーを使ってるんですか?」「えーと・・・アジ○ンス」「アジ○ンス!アジ○ンス!」(清○氏ら、シャンプーそのものが必要なさそうな連中が立って一緒に飲む)という一連のネタができず、その点寂しかった。最近は羽目をはずさないので、3時間くらい飲んで話したあと、おとなしく寝た。

3日目は昨日の課題を復習。まず龍馬のソロを各パートTOPを集めて練習。譜面も重音を増やし荒々しい感じに変えた。するとどうだろう。震えが来るほどかっこよくなった。不思議なもので冒頭のアンサンブルがまとまると、合奏も輪郭がはっきりしてきた。あとはやはり一番の難曲3楽章。この曲は体で覚えるタイプの曲である。全てのパートが自信たっぷりに弾きこなすにはもう少し時間がかかるだろう。


子供と家内を迎えに行くため、いそいで木崎にとんぼ返りする必要があるので、昼ごはんをカットして岩井駅に急ぐ。しかし結局12時台の電車には乗り遅れて、みんなと同じ電車になり、昼食を食べ損ねた形になってしまった。

こうして春合宿はおわり、前半の折り返し地点まで来たわけだが、もちろん練習はまだまだこれからである。久しぶりの団友・新人さんもまだまだこれから大いに参加してほしいのである。この僕自身が前期子育て中で、練習に行く時間を捻出するのに四苦八苦状態だが、それでも短時間でもすごく集中して練習すれば、この合宿のようにすごい効果はあるのだから。