もうすっかり有名だが、いまさらながらシモンボリバルオケについて。
最初にN響アワー(だったか?)でドゥダメル指揮のこのオケの演奏を聞いたときは衝撃だった。チャイコの5番、最後まで画面から目が離せず引き込まれてしまった。とにかく演奏が熱い!炎のように熱いのだ。
指揮者の棒に全員が狂ったように全身でむしゃぶりついてくる。音楽するみずみずしい喜び、無我夢中の快演であった。ユースオケということで若いし、ラテンのノリもあるだろうがなんとも明るくて躍動的。
以前やはりNHKのドキュメントで見たのだが、ベネズエラでは貧困層の子供に、音楽教育をしているプロジェクトがあるとの事。シモンボリバルオケはそこの選抜オケ。世界的指揮者に成長しつつあるドゥダメルもそこの出身だそうで、まさに奇跡のオケなのである。小難しい理屈や、深遠なアカデミズムとは無縁なこの純粋な熱い感動。クラシックファンは長い間こういう音楽を求めてきたのだと思う。
ねがわくはバッカスもこんな演奏をしたいものである。いや、かつては出来ていたのかもしれない。自分も含めて最近めっきりオケの心と体が動かなくなったと思う。
やっぱり音楽も体も「動く」ことだ。
かりにシモンボリバルオケの心がどんなに熱かろうと微動だにしなかったら、ここまで人の心を打つだろうか?
音楽と心の高揚に合わせて自然に体を動かすことだ。
体を動かす場所や方向・大きさを決めるという手もあるかもしれないが、それは違うと思う。 あくまで、内面のたかまりがあって体は動くものだ。
毎回違ってていていい。一人だけ反対方向でもいい。動きの大きい人・小さい人もいるだろう。
しかし、大事なのはあきらめないでまずは一人ひとりが「動く」ことだ。
音楽に感じやすい無邪気な心、その心の高まりを素直に表現できる柔軟な関節と恥ずかしいと思わない自意識。 これが必要である。
あんな演奏がしたい!!
間に合うかわからないがやってみよう。
年齢は関係ないはずだから。