2007年4月5日

「不名誉なる撤退」

実名は出せないが会社の近辺に某有名ラーメン屋があるのだが、ここがいつ見ても行列がすごい。昼時と夜しかやっていないのだがいつも長蛇の列で、入っている大きなビルをグルりと半周してしまっている。一年中毎日そうである。何年も前から行こうと思っていたのであるが、いつもすさまじい行列で並ぶ気がしなかった。

ところが今日開店直前に前を通ると20人くらいしか並んでいない。(いつも40人くらい並んでいるのだ!)かなりお腹がすいていたし、今日しかないと思って並んだ。10分近く待って開店。一度に10人しかはいれないので結局いすに座るまで30分以上待った。

客は良く見ると大学生風の若いのがほとんど。中の雰囲気は「ラーメン道」を探求する道場のような雰囲気で、満員なのにラーメンをすする音以外一切会話は無く、全員黙ってひざに手を置いてラーメンが出てくるのを待っている。常連らしいこれらの客たちと2人の店員が注文時交わす隠語だけが響く。僕の番が来た。ぜんぜん意味がわからなかったが前の客が言った「野菜・ニンニク辛め!」といっておく。

さて、出てきた・・・多い!!これは大食い選手権か?ただでさえでかいどんぶりに大量のモヤシがそのどんぶりの高さ以上に積み上げてある。その下にものすごい量のふと麺と厚切りチャーシューが埋まっていた。スープは背油入りのとんこつ風だが、表面に5ミリくらいの透明な油の層がある!!

思えば僕は昔から大食を売りにしてきた。お替り自由のトンカツ屋に入ればまず味噌汁とおしんこで1杯食べ、その後おもむろにとんかつ2切れで1杯の配分、合計4杯食べたものだ。
また、学生のころ行きつけの食堂でお替り自由の定食を食べるときは、店の人から面倒だからと専用のおひつでたべさせられていた。
ところがそんな僕もここ2年ほど麦飯や野菜中心のの淡白な(量はあいかわらずだが)食事を好むようになっていたのである・・・

量はともかく、このラーメンの脂っこさにはかなわなかった。
それに、この豚くささは僕にとってはどうしてもうまいとは思えなかった。無理やり詰め込んでもいつまでも量が減らない。

こんなことは初めてだったが、なんと3分の一くらい食べたところで箸が止まってしまった!それでも必死に詰め込んだが、まだ半分以上残して完全に胃が受け付けなくなってしまった。わが大食人生であまりにも情けない不名誉な撤退である。ご馳走様をしながら逃げるように店を出た。

やはりもう若い胃袋ではないのだろう。それにしてもあんな油っぽい、ブタくさいものが最近の流行なのか?まあ,若い人には人気なのだろう。
物好きなので、人気のラーメン屋に1時間近く並んで食べることは結構あるのだが、そういうときに限ってあまりおいしく感じないのはなぜだろう。

脂っこさとボリューム・・・音楽にはある程度必要だと思うのだが。