いかにオフとはいえ久々である。いろいろなことがありすぎて、生存確認書き込みさえ出来なかった。
まずやはり家内・桝川千明のドイツ国際マンドリン独奏コンクール(桑原康雄杯)のこと。11月末渡独。僕は仕事が休めないし、飛行機が苦手で同行は断念。
家内は筋金入りのモノ・リンガルなので現地でドイツ斯界通の宮武さんや児島さんに何から何までお世話になったとのこと。本当に感謝。
結果は予選通過でセミファイナルに進出したが、ファイナルには進めず、ベスト8入りというところであった。神戸からわざわざコーチに来てくれた横田さんおかげか、桑原康雄特別賞の候補になったらしいが、惜しくもこれはとれず。
本人はファイナル・入賞を目指していたので目標は達成できなかったが、このコンクールのレベルの高さは、予選落ちの奏者に欧州の名手がごろごろしていることでもわかる・・・。
結果は審査員との相性であろうから、まずは大健闘というべきであろうし、国際的な力量を身につけるという目的は十分果たしただろう。
そしてバッカス19の選曲会。今年はなかなか面白い結果となった。そんなに割れたりせず、アレもいいけどこれもいいな~といった前向きな雰囲気。
1部はザンパ。かなり前からやりたいと思っていた曲。プレリュード3。これも前から上がっていたが、吉水先生の作品はこれでほぼ制覇。東洋の印象第2組曲。まさかの東洋。アマディの鉄板曲。バッカスでこれをやる日がこようとは意外だったが大好きな曲なのでうれしい。
そして2部は「1812年」!実は再演である。第五回だからもう14年前か。当時のメンバーはもう数人しかいないだろう・・・。1812年はバッカスにとっても初期から中期へのターニングポイントになった曲である。
過去の曲目を見ても、前の年に韃靼人をやっっているが、本格的なクラシックの大曲に挑んだのはこれがはじめてであった。当時は関東マンド界では1812年はまだあまり演奏されていなかったようで、編曲を探すのも一苦労。探し探してついに九州のアマチュアの編曲家の方に分けていただいた。
当時、技術的にも周囲からは「無謀」とさえいわれたものである。実際かなりの背伸びであったろう。それまでノリと勘で棒を振っていた僕も、本格的な指揮技術やアナリーゼの習得という壁に阻まれ、苦い洗礼を受けることになった。
練習はまさに悪戦苦闘で、奏者と指揮者が一緒に悩む始末。まだ最後まで通らないのに、いつの間にか本番の舞台に立っている・・・夢をよく見たものである。悪夢にうなされて起きると両手が指揮を振っていた、なんてことがしょっちゅう有った。これはいまだに忘れられない思い出であるし、苦悩の末に迎えた本番で演奏し終えたときの開放感や達成感はこたえられないものであった。
自分の指揮者としての無力さを痛感させられ、成長させてくれた大事な曲である。当時からの人に聞くと、この曲からバッカスは「変わった」のだという。そういう曲をまた演奏できることに、僕は今から興奮している。自分がそしてバッカスがこの14年でどう成長したか知りたいし、この曲の出現は再び新たな時代へのターニングポイントかもしれないし。(クビになったりして・・・大丈夫か?)
この曲のハイライトはもちろん大砲がぶっ放されるあの部分だが、自分的には、後半のさびしげな民謡が荒涼とした大地を思わせた後、ロシアの反撃が始まるあの部分が大好きである。仕事や音楽活動、家庭問題やその他いろいろ、人生において敗北・退却することもけっこうあるが、じっと耐えていればいつも必ずなにかの糸口が出来て、逆転が始まる。そんなとき僕の胸にはいつもあの部分が流れているのである。
僕個人のことだけでなく、いま日本全体が暗い閉塞感にあふれている。1812年という曲は「粘れば最後に勝つ」という歴史の法則をわかりやすく実感させてくれる曲である。
さあ、オフもそろそろ終わり。ここからは決起の狼煙をあげて・・・バッカスの大反撃が始まりますよ。
バッカスマンドリーノの指揮者たちが日々の雑感などを徒然なるままに書き綴ります。マンドオケを中心とする音楽への飽くなき探求から、マニアックな趣味、果ては社会問題・現代世相まで何でもアリです。
2008年10月21日
シーズン・オフ~充電しないと、しぼむぞ(古)
またしても久しぶりの生存確認書き込みである。 バッカス18が終わってからの動きを少々。
本番の翌週には試写会。今度は鑑賞者としてバッカス18を追体験する。舞台の上で感 じた事と大きなギャップは無く、多少雑なところもあったが、十分に楽しめた。 やはり、ムーンウオークの部分はしょうもなかった。しかしまあ、ばかばかしすぎて 笑ってしまったのでよしとしたい。
演奏は、やはりみんなすごい・・・。心からバッカスの仲間一人ひとりに拍手を送り たい。賛助さんにも助けられている。
演奏会後の1ヶ月はあっという間に過ぎ去り、シーズンオフがやってきた。9月末、僕 は家内と今年も新田町でのコンサート。今回は企画ネタを満載して、3分の一くらい もトークのコンサート。固定のお客さんも増え、熱気に満ちた会場は今年も満員、絶 え間ない笑いと暖かい拍手をいただいた。
それから念願だった和光市青少年ホームでのコンサート。館長さんはじめスタッフの 皆さんの心づくしで、楽しいコンサートとなった。清水かつらの曲も数曲。朝霞のマ ンドリン愛好者の皆さんもいらして(意外に多いのである)思わぬ交流をした。
図書館が近くなったので、本を乱読。シーズンオフなので、いろん なことを充電する。 少し前の本だがタカ○クの「チェッ○ーズ」。タカ○クの奥さんが僕の同級生なの だ。小・中学校で何度か同じクラスになった。ほとんど話したことは無かったが。チ ○ッカーズって大変なことになっていたんだな・・・。タ○モクとフ○ヤの関係に人 の世の業の縮図を見る。
爆笑問題の本を片っ端から読む。ほぼ同年代のせいか、ギャグが全てつぼにはまって しまう。 中高年のお客さんと上手くコミュニケーションするために綾小路きみまろ、毒蝮三太 夫の著書も押さえる。 兵頭二十八の本を片っ端から読む。開高健を読破する。どういうわけかホームレス関 係や旅関係の本を読む。国際関係や労務関係、金融関係の本も読む。TSUTAYA でドリフのDVDを借りまくる。自分が何をしたいのかわからない状況である。
朝霞市での生活にもだいぶ慣れてきた。 駅から近くなってかえって歩くようになったので、痩せてきた気もする。本当に便利 な町であるが、残念なことに和光市のような豊かな緑は無い。 しかし、自転車に5分も乗ると、黒目川とその河川敷の自然があり、なかなか癒され る。この黒目川、最近水質がきれいになったらしく、けして深くないのだが、底まで はっきり見える。 この川のほとりにたたずんで見つめていると、驚くほどの種類の魚がいる。
ある夏の 日の夕方、川面を眺めているだけで、鯉、草魚、ニゴイ、オイカワ、ボラ、ナマズ、 セイゴ、ヌマチチブ、マハゼ、ミシシッピアカミミガメ、スッポン、ウナギ(川下に 向かって60センチくらいのがひらひら泳いでいった。本当にいるのだ!)。判別で きなかったがアユも上るそうで、都市部の川とは思えない。水が綺麗であるとはこん なにも生き物にとって暮らし易いという事か。実家・鴻巣の元荒川より 魚種は豊富。ちなみに僕はうなぎの蒲焼が好物なのだが・・・あまりに人通りが多く 公然と捕ったり釣ったりできる雰囲気ではない・・・。
10月は大阪国際マンドリンフェスティバルIN東京。去年の大阪国際上位のAnne やSabine、やっぱりすごい。思い切りの良さ、はつらつとした音楽性から言う とAnneが好みだが、Sabineの上品で洗練された演奏も香気に満ちてすばら しい。
日本人もすごいことになっている。特に、丸本さん、堀君の極上の二重奏に聞 きほれてしまうし、石橋さんの曲のセンスと・演奏の超絶技巧ぶりにはもう言葉がで ない。完璧である。 千明氏は歌心・技術・気迫の均衡がとれた、余裕たっぷりの明るく澄んだ音色が異彩を放っている。 横田さんがステージに立つだけで、存在感が炎たつよう。技巧と迫力と精気。桑原康 雄の曲でこの人の右に出るものは外国人も含めもちろんいない。 Natalliaはやはり桁違いのパワーとスピードとテクニック。それでいて細か いところまでよく歌う。
しかしこの日一番のMVPはやはり井上さんであろう。運営はもちろんのこと、司 会、二重奏、指揮、独奏まで、彼以外なしえない超人的な活躍ぶりであった。 このひとの志と力が無ければこういう「世界の今」も見れなかったわけで、「不逞」 ・不屈の魂に心から賞賛と感謝を送りたい。
他にもいろいろと面白いことが起こったり、これから起こりそうだったり・・・こう してみると朝霞に来てからいろいろ良いこと(・・か?・・)があって、やはり引っ 越してよかったのかもしれない。
本番の翌週には試写会。今度は鑑賞者としてバッカス18を追体験する。舞台の上で感 じた事と大きなギャップは無く、多少雑なところもあったが、十分に楽しめた。 やはり、ムーンウオークの部分はしょうもなかった。しかしまあ、ばかばかしすぎて 笑ってしまったのでよしとしたい。
演奏は、やはりみんなすごい・・・。心からバッカスの仲間一人ひとりに拍手を送り たい。賛助さんにも助けられている。
演奏会後の1ヶ月はあっという間に過ぎ去り、シーズンオフがやってきた。9月末、僕 は家内と今年も新田町でのコンサート。今回は企画ネタを満載して、3分の一くらい もトークのコンサート。固定のお客さんも増え、熱気に満ちた会場は今年も満員、絶 え間ない笑いと暖かい拍手をいただいた。
それから念願だった和光市青少年ホームでのコンサート。館長さんはじめスタッフの 皆さんの心づくしで、楽しいコンサートとなった。清水かつらの曲も数曲。朝霞のマ ンドリン愛好者の皆さんもいらして(意外に多いのである)思わぬ交流をした。
図書館が近くなったので、本を乱読。シーズンオフなので、いろん なことを充電する。 少し前の本だがタカ○クの「チェッ○ーズ」。タカ○クの奥さんが僕の同級生なの だ。小・中学校で何度か同じクラスになった。ほとんど話したことは無かったが。チ ○ッカーズって大変なことになっていたんだな・・・。タ○モクとフ○ヤの関係に人 の世の業の縮図を見る。
爆笑問題の本を片っ端から読む。ほぼ同年代のせいか、ギャグが全てつぼにはまって しまう。 中高年のお客さんと上手くコミュニケーションするために綾小路きみまろ、毒蝮三太 夫の著書も押さえる。 兵頭二十八の本を片っ端から読む。開高健を読破する。どういうわけかホームレス関 係や旅関係の本を読む。国際関係や労務関係、金融関係の本も読む。TSUTAYA でドリフのDVDを借りまくる。自分が何をしたいのかわからない状況である。
朝霞市での生活にもだいぶ慣れてきた。 駅から近くなってかえって歩くようになったので、痩せてきた気もする。本当に便利 な町であるが、残念なことに和光市のような豊かな緑は無い。 しかし、自転車に5分も乗ると、黒目川とその河川敷の自然があり、なかなか癒され る。この黒目川、最近水質がきれいになったらしく、けして深くないのだが、底まで はっきり見える。 この川のほとりにたたずんで見つめていると、驚くほどの種類の魚がいる。
ある夏の 日の夕方、川面を眺めているだけで、鯉、草魚、ニゴイ、オイカワ、ボラ、ナマズ、 セイゴ、ヌマチチブ、マハゼ、ミシシッピアカミミガメ、スッポン、ウナギ(川下に 向かって60センチくらいのがひらひら泳いでいった。本当にいるのだ!)。判別で きなかったがアユも上るそうで、都市部の川とは思えない。水が綺麗であるとはこん なにも生き物にとって暮らし易いという事か。実家・鴻巣の元荒川より 魚種は豊富。ちなみに僕はうなぎの蒲焼が好物なのだが・・・あまりに人通りが多く 公然と捕ったり釣ったりできる雰囲気ではない・・・。
10月は大阪国際マンドリンフェスティバルIN東京。去年の大阪国際上位のAnne やSabine、やっぱりすごい。思い切りの良さ、はつらつとした音楽性から言う とAnneが好みだが、Sabineの上品で洗練された演奏も香気に満ちてすばら しい。
日本人もすごいことになっている。特に、丸本さん、堀君の極上の二重奏に聞 きほれてしまうし、石橋さんの曲のセンスと・演奏の超絶技巧ぶりにはもう言葉がで ない。完璧である。 千明氏は歌心・技術・気迫の均衡がとれた、余裕たっぷりの明るく澄んだ音色が異彩を放っている。 横田さんがステージに立つだけで、存在感が炎たつよう。技巧と迫力と精気。桑原康 雄の曲でこの人の右に出るものは外国人も含めもちろんいない。 Natalliaはやはり桁違いのパワーとスピードとテクニック。それでいて細か いところまでよく歌う。
しかしこの日一番のMVPはやはり井上さんであろう。運営はもちろんのこと、司 会、二重奏、指揮、独奏まで、彼以外なしえない超人的な活躍ぶりであった。 このひとの志と力が無ければこういう「世界の今」も見れなかったわけで、「不逞」 ・不屈の魂に心から賞賛と感謝を送りたい。
他にもいろいろと面白いことが起こったり、これから起こりそうだったり・・・こう してみると朝霞に来てからいろいろ良いこと(・・か?・・)があって、やはり引っ 越してよかったのかもしれない。
2008年9月2日
本番レヴュー2008・・・80’sは不滅です。
豪雨の中、バッカス18にご来場くださり、本当にありがとうございました!
団員一同、深く感謝いたします。
では、今年も例によりセルフレビューを。
8/30朝、ここ数日続いている異常気象・ゲリラ雷雨の不吉な予兆を感じつつ、青 砥に到着。団員達と挨拶を交わしつつ、舞台設営に入る。かつしかは14年前使わせ ていただいたのだが、音が散って合わせにくく苦戦した思い出がある。それを思い出 し、8月からはなるべく耳に頼らないで指揮にあわせる練習をしてきた。
久々に見る舞台はかなり奥行きがあるように思えたが、ひな壇2段とドラが5プルあ るのであっという間に指揮台がステージのきわに。早速1部の練習が始まった。客席 で聞いてみると、残響がとても豊かで驚いた。とくにマンドリンのトレモロの長く持 続するような音は、倍音が客席全体に広がるようなイメージでとても良い。その一方 で速いテンポのピッキングの音は、輪郭がぼやけ、スカスカな感じもしたが。
午前 中、1部練習終了。 昼食時、ちょっとしたアクシデント。僕自身が自分のお弁当をフ タを取った状態でさかさまに床に落としてしまったのである。しかし世界共通3秒 ルールをクリアしていたので、問題なくいただいた。 ギター部屋ではワンセグ携帯を持ち込み、YOUTUBEで80'SのPVを鑑賞してモチベー ションをあげる。僕が10代の頃大好きだった曲を、いま、やはり大好きなマンドリ ンオケでトリビュートする。団員の半分以上を占めるようになった若手にはつき合わ せてしまった感があるが、今ではみんなこの曲を愛してくれている。
午後は2部の練習・全曲通しへ。本番に最高のコンディション・テンションを持って くるため、全体にセーブ気味にして、あえてテンポの変わり目の確認程度で淡淡とリ ハをこなす。本番で必ず大爆発してくれることを信じて。 2部はテンポの速いピッキングの曲が多いので、合わせにくいのではと思ったが、そ んなことも無く、天井が高いホールにありがちな音が散るような違和感は無い。とす るとあの14年前の状況はどうだったのだろう。たぶん指揮・アンサンブルの技術が未 熟だったのであろう。あれから少しは成長したということか。
こうして、あっという間に開演時間が近づいてきたが、団員一同の胸に去来していた 懸念はやはりこの日の天候である。午後から、関東圏は傘を差しても下着までぬれる ほどの記録的豪雨になっていた。 自然の猛威には勝てない・・・今日は客席の半分も埋まればよい。こんな年もあるさ ・・・。と半ばあきらめていたのである。
そして開演。舞台にたつと、開演の段階で客席(1階のみ)が7.8割がたお客さまで 埋まっていた!思わず胸が熱くなる。司会のYASUKOさんも同感だったのであろう、ま ず冒頭に雨の中来場いただいたお客さまに感謝の言葉を伝えたが、それはありがちな 事務的な挨拶ではなく、本当に気持ちがこもっていた。同時にそれは我々一人残らず の感謝の気持ちを代弁したものでもあった。 8/30の豪雨の中、かつしかシンフォニーヒルズの幸せなる2時間は、まさ にこの感謝の言葉から始まったのである!
小川君指揮、1部1曲目のシリウス。1楽章はピッキング中心のせいかマンドリンが 聞こえず、まごついたが、指揮をなるべく見るように心がけた。本当は暗譜がかっこ いいのだがそこまでいけないのがくやしい。 2楽章はトレモロ中心で、よく聞こえ、やっと落ち着いた。3楽章はやや速かった が、みんな良く一体になっていた。 終わってみれば、このホールのもつ残響の美しさが、曲の神秘性とよくマッチしてい た。
2曲目は交響的前奏曲。吉水先生の最新作にして最深作。おそらくこの日一番美しく 響いた曲だろう。 各パートの魅力が存分に出せた。ギターソロもやや力んだが会心のでき。 この曲は「1961」コンサートで初演された曲であるが、僕には、小林先生、加賀城先 生、吉水先生が同じく生誕された1961という神秘な年へのオマージュというか、また は吉水先生の半生のようなものがそこに描かれているような気がした。
3曲目は華燭の祭典。マネンテは大好きである。これはほとんど暗譜。やはり2楽章 がとても美しく鳴っていた。打楽器もフルで入る。パーカッションの賛助さんがタイ ミング・音量ともぴたりと調整してくれているので合奏が締まる。 1部は非常に上手くいった。お客さんの拍手も激しい。 曲が終わるたびにお客さんは増え、ほぼ満員(しつこいが1階席のみ)に、次は2部 である。
さて、2部冒頭はYASUKOさんの力を借りて、僕がMJのようにムーンウオークで入っ てくるという、お約束の演出。僕の年代なら誰もが一度はやったであろうムーンウ オーク(の真似)。自信はなかったが、お客さんにリラックスしてもらいたい、笑って もらいたい一心である。笑いのセンスが無い僕は結局中途半端なムーンウオークをし てしまったが、なんとかYASUKOさんにオチをつけてもらい、場だけは和んで指揮台 へ。
さてここからは夢のような10分間であった。MJはもう少し乗りたかったが平板 だったか。ライクアバージンはもっと色っぽくしたかったが、そこは日本人、淡白で シャイなのである。ちょっと物足りない。ビーナスはパーカッション隊の活躍もあり 狂おしいほどノリノリである、ビリージョエルはよく歌えていた。全てをあなたに・ ・・酔いしれそうである。ボーントウラブユー、まさに大爆発で爽快この上なかっ た。ウイーアーザワールドも、しみじみと心の中で大合唱である。この10分間は僕の 一生の宝であった。 お客さんも楽しげに聞いてくださるのが背中でわかった。
そして胡桃割り。小序曲のテンポは冷静にスタート。マンドリンはハイポジで細かい 動きが多いのでどうしても指板を見てしまい、そういう部分が走るのだが、4小節単 位のメロディの始点・力点・終末点があっていれば、そんなに気にする必要はないと 達観。 マーチもそうで、これは歩調をとにかく合わせることを考える。一曲終わるごとに、 お客さんが期待をこめて耳をそばだてているのを背中で感じる。
金平糖、全体にちょっと急いでいるのだがまずまず。トレパーク、いかにもバッカス らしい元気で豪壮な演奏。ストリンジェンドも見事に決まった。アラビア、ゆったり したトレモロはこのホールに一番響く。安心して聞けた。 ここから先は、フルート主役の2曲。バッカスが誇るフルート隊は完璧なアンサンブ ルを聞かせてくれた。
そして終曲の花のワルツ。 冒頭のテーマはもっと自由自在にやりたかったのだが時間切れ。でもこれでよい。少 し崩れてしまったかもしれないが。 マンドリンのカデンツァは相当難しいのだが良くここまで出来たと思う。コンミスの 開き直ったかのような大胆なアルペジオが会場に響き渡った。 第1主題の対のテーマ、クラリネットのゆれ具合が絶品!そして有名なさびだが・・ ・。欲をかけばきりがないが、もっと高く遠く舞い上がりたかった。もっと空気を巻 き込みたかった。これは3セット+発展系があるのだが、一つ一つ違う高度で違う表 情で高ぶっていきたかったのだが、少しスタミナ切れしたか。
フルートの第3のワルツでドーパミンの放出は最高潮に。その後のドラチェロのエス プレーシヴォは、あまりに壮絶な音を搾り出すので感情がほとばしり自分も訳がわか らなくなってしまった。冷静さを欠き裏拍の伴奏とあわなかった気もするが、これは これですごく良かったのではないか。 中盤で力を出し尽くしてしまい、圧倒的なフィナーレ感にやや欠けたが、そこはパー カッションが盛り上げてくれた。心配していた最後のテンポ急変は心をひとつに大団 円で最後のアコードを燃焼させることが出来、これは満足。 指揮台を降りる前から激しいフライング拍手を頂き、うれしさで倒れそうである。
ソリストをたたえ、全員を立たせた後、とまらない拍手の中、1度出入りして、アン コール。トレパークのつもりでいたのだが、その場の気分でウイーアーザワールド に。メドレーの途中から無理やりやるので、絃も大変だったと思うが、管楽器や打楽 器さんは持ち替えやチューニングでパニックだったらしい。軽率であった・・・ごめ んなさい。
さて、このアンコールはお客さんから手拍子をいただいた。ものすごく力強い大きな 手拍子で、これまでに無いほど舞台と客席の一体感を感じた。いつになく快速のバッ カナールを演奏後、また全員を立たせ退場したが、拍手はやまず、珍しいことに奏者 が退場する間も続いた。(会場が暗転しなかったからかもしれないが) ふれあいタイムでロビーに行き、お客様一人ひとりに心からご来場のお礼を言う。懐 かしい顔も。本当にありがとう。
今年は非常に珍しいことだが、何人もの見知らぬ女性が僕に握手を求めてきた。なぜ だかみな一様にオーバー60の淑女たちであった。中には、なにか健康にいいと思わ れたらしく「元気を分けて」といって殺到する淑女たちもおり、僕もけして若く は無いのに残り少ないヘロモンをかなり吸い取られた気がした。 お客様が帰る時間も雨が降り始め、本当に申し訳なく、無事にお帰りいただけるよう 祈った。
我々はタクシーに分乗し、ふたき旅館へ。 豪雨という最悪の条件にもかかわらず例年並みの入場者、上手くいったコンサート・ ・・打ち上げを待たずしてもう僕らは最上の美酒に酔っていたのであった。放歌高吟 の打ち上げの夜はふけ、ふと気付けば、会場は例年通り、ルパン3世、花嫁、ピンク のウサギ、蛇使い、スケスケのベリーダンサー、黒人、ガチャピン、などが走り回る 異様な世界と化していた。
指揮者へのプレゼントとして僕はとても立派な(ドイツ製の!)胡桃割り人形を戴い てしまった。が、その夜の夢にはバレエのようにねずみの王様は出てこず、スケスケ のベリーダンサーや、むらがる淑女たちの幻影に悩まされたのだった・・・。
団員一同、深く感謝いたします。
では、今年も例によりセルフレビューを。
8/30朝、ここ数日続いている異常気象・ゲリラ雷雨の不吉な予兆を感じつつ、青 砥に到着。団員達と挨拶を交わしつつ、舞台設営に入る。かつしかは14年前使わせ ていただいたのだが、音が散って合わせにくく苦戦した思い出がある。それを思い出 し、8月からはなるべく耳に頼らないで指揮にあわせる練習をしてきた。
久々に見る舞台はかなり奥行きがあるように思えたが、ひな壇2段とドラが5プルあ るのであっという間に指揮台がステージのきわに。早速1部の練習が始まった。客席 で聞いてみると、残響がとても豊かで驚いた。とくにマンドリンのトレモロの長く持 続するような音は、倍音が客席全体に広がるようなイメージでとても良い。その一方 で速いテンポのピッキングの音は、輪郭がぼやけ、スカスカな感じもしたが。
午前 中、1部練習終了。 昼食時、ちょっとしたアクシデント。僕自身が自分のお弁当をフ タを取った状態でさかさまに床に落としてしまったのである。しかし世界共通3秒 ルールをクリアしていたので、問題なくいただいた。 ギター部屋ではワンセグ携帯を持ち込み、YOUTUBEで80'SのPVを鑑賞してモチベー ションをあげる。僕が10代の頃大好きだった曲を、いま、やはり大好きなマンドリ ンオケでトリビュートする。団員の半分以上を占めるようになった若手にはつき合わ せてしまった感があるが、今ではみんなこの曲を愛してくれている。
午後は2部の練習・全曲通しへ。本番に最高のコンディション・テンションを持って くるため、全体にセーブ気味にして、あえてテンポの変わり目の確認程度で淡淡とリ ハをこなす。本番で必ず大爆発してくれることを信じて。 2部はテンポの速いピッキングの曲が多いので、合わせにくいのではと思ったが、そ んなことも無く、天井が高いホールにありがちな音が散るような違和感は無い。とす るとあの14年前の状況はどうだったのだろう。たぶん指揮・アンサンブルの技術が未 熟だったのであろう。あれから少しは成長したということか。
こうして、あっという間に開演時間が近づいてきたが、団員一同の胸に去来していた 懸念はやはりこの日の天候である。午後から、関東圏は傘を差しても下着までぬれる ほどの記録的豪雨になっていた。 自然の猛威には勝てない・・・今日は客席の半分も埋まればよい。こんな年もあるさ ・・・。と半ばあきらめていたのである。
そして開演。舞台にたつと、開演の段階で客席(1階のみ)が7.8割がたお客さまで 埋まっていた!思わず胸が熱くなる。司会のYASUKOさんも同感だったのであろう、ま ず冒頭に雨の中来場いただいたお客さまに感謝の言葉を伝えたが、それはありがちな 事務的な挨拶ではなく、本当に気持ちがこもっていた。同時にそれは我々一人残らず の感謝の気持ちを代弁したものでもあった。 8/30の豪雨の中、かつしかシンフォニーヒルズの幸せなる2時間は、まさ にこの感謝の言葉から始まったのである!
小川君指揮、1部1曲目のシリウス。1楽章はピッキング中心のせいかマンドリンが 聞こえず、まごついたが、指揮をなるべく見るように心がけた。本当は暗譜がかっこ いいのだがそこまでいけないのがくやしい。 2楽章はトレモロ中心で、よく聞こえ、やっと落ち着いた。3楽章はやや速かった が、みんな良く一体になっていた。 終わってみれば、このホールのもつ残響の美しさが、曲の神秘性とよくマッチしてい た。
2曲目は交響的前奏曲。吉水先生の最新作にして最深作。おそらくこの日一番美しく 響いた曲だろう。 各パートの魅力が存分に出せた。ギターソロもやや力んだが会心のでき。 この曲は「1961」コンサートで初演された曲であるが、僕には、小林先生、加賀城先 生、吉水先生が同じく生誕された1961という神秘な年へのオマージュというか、また は吉水先生の半生のようなものがそこに描かれているような気がした。
3曲目は華燭の祭典。マネンテは大好きである。これはほとんど暗譜。やはり2楽章 がとても美しく鳴っていた。打楽器もフルで入る。パーカッションの賛助さんがタイ ミング・音量ともぴたりと調整してくれているので合奏が締まる。 1部は非常に上手くいった。お客さんの拍手も激しい。 曲が終わるたびにお客さんは増え、ほぼ満員(しつこいが1階席のみ)に、次は2部 である。
さて、2部冒頭はYASUKOさんの力を借りて、僕がMJのようにムーンウオークで入っ てくるという、お約束の演出。僕の年代なら誰もが一度はやったであろうムーンウ オーク(の真似)。自信はなかったが、お客さんにリラックスしてもらいたい、笑って もらいたい一心である。笑いのセンスが無い僕は結局中途半端なムーンウオークをし てしまったが、なんとかYASUKOさんにオチをつけてもらい、場だけは和んで指揮台 へ。
さてここからは夢のような10分間であった。MJはもう少し乗りたかったが平板 だったか。ライクアバージンはもっと色っぽくしたかったが、そこは日本人、淡白で シャイなのである。ちょっと物足りない。ビーナスはパーカッション隊の活躍もあり 狂おしいほどノリノリである、ビリージョエルはよく歌えていた。全てをあなたに・ ・・酔いしれそうである。ボーントウラブユー、まさに大爆発で爽快この上なかっ た。ウイーアーザワールドも、しみじみと心の中で大合唱である。この10分間は僕の 一生の宝であった。 お客さんも楽しげに聞いてくださるのが背中でわかった。
そして胡桃割り。小序曲のテンポは冷静にスタート。マンドリンはハイポジで細かい 動きが多いのでどうしても指板を見てしまい、そういう部分が走るのだが、4小節単 位のメロディの始点・力点・終末点があっていれば、そんなに気にする必要はないと 達観。 マーチもそうで、これは歩調をとにかく合わせることを考える。一曲終わるごとに、 お客さんが期待をこめて耳をそばだてているのを背中で感じる。
金平糖、全体にちょっと急いでいるのだがまずまず。トレパーク、いかにもバッカス らしい元気で豪壮な演奏。ストリンジェンドも見事に決まった。アラビア、ゆったり したトレモロはこのホールに一番響く。安心して聞けた。 ここから先は、フルート主役の2曲。バッカスが誇るフルート隊は完璧なアンサンブ ルを聞かせてくれた。
そして終曲の花のワルツ。 冒頭のテーマはもっと自由自在にやりたかったのだが時間切れ。でもこれでよい。少 し崩れてしまったかもしれないが。 マンドリンのカデンツァは相当難しいのだが良くここまで出来たと思う。コンミスの 開き直ったかのような大胆なアルペジオが会場に響き渡った。 第1主題の対のテーマ、クラリネットのゆれ具合が絶品!そして有名なさびだが・・ ・。欲をかけばきりがないが、もっと高く遠く舞い上がりたかった。もっと空気を巻 き込みたかった。これは3セット+発展系があるのだが、一つ一つ違う高度で違う表 情で高ぶっていきたかったのだが、少しスタミナ切れしたか。
フルートの第3のワルツでドーパミンの放出は最高潮に。その後のドラチェロのエス プレーシヴォは、あまりに壮絶な音を搾り出すので感情がほとばしり自分も訳がわか らなくなってしまった。冷静さを欠き裏拍の伴奏とあわなかった気もするが、これは これですごく良かったのではないか。 中盤で力を出し尽くしてしまい、圧倒的なフィナーレ感にやや欠けたが、そこはパー カッションが盛り上げてくれた。心配していた最後のテンポ急変は心をひとつに大団 円で最後のアコードを燃焼させることが出来、これは満足。 指揮台を降りる前から激しいフライング拍手を頂き、うれしさで倒れそうである。
ソリストをたたえ、全員を立たせた後、とまらない拍手の中、1度出入りして、アン コール。トレパークのつもりでいたのだが、その場の気分でウイーアーザワールド に。メドレーの途中から無理やりやるので、絃も大変だったと思うが、管楽器や打楽 器さんは持ち替えやチューニングでパニックだったらしい。軽率であった・・・ごめ んなさい。
さて、このアンコールはお客さんから手拍子をいただいた。ものすごく力強い大きな 手拍子で、これまでに無いほど舞台と客席の一体感を感じた。いつになく快速のバッ カナールを演奏後、また全員を立たせ退場したが、拍手はやまず、珍しいことに奏者 が退場する間も続いた。(会場が暗転しなかったからかもしれないが) ふれあいタイムでロビーに行き、お客様一人ひとりに心からご来場のお礼を言う。懐 かしい顔も。本当にありがとう。
今年は非常に珍しいことだが、何人もの見知らぬ女性が僕に握手を求めてきた。なぜ だかみな一様にオーバー60の淑女たちであった。中には、なにか健康にいいと思わ れたらしく「元気を分けて」といって殺到する淑女たちもおり、僕もけして若く は無いのに残り少ないヘロモンをかなり吸い取られた気がした。 お客様が帰る時間も雨が降り始め、本当に申し訳なく、無事にお帰りいただけるよう 祈った。
我々はタクシーに分乗し、ふたき旅館へ。 豪雨という最悪の条件にもかかわらず例年並みの入場者、上手くいったコンサート・ ・・打ち上げを待たずしてもう僕らは最上の美酒に酔っていたのであった。放歌高吟 の打ち上げの夜はふけ、ふと気付けば、会場は例年通り、ルパン3世、花嫁、ピンク のウサギ、蛇使い、スケスケのベリーダンサー、黒人、ガチャピン、などが走り回る 異様な世界と化していた。
指揮者へのプレゼントとして僕はとても立派な(ドイツ製の!)胡桃割り人形を戴い てしまった。が、その夜の夢にはバレエのようにねずみの王様は出てこず、スケスケ のベリーダンサーや、むらがる淑女たちの幻影に悩まされたのだった・・・。
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