2011年6月17日

音量記号を疑え!

6/12の練習 今年最後の砂町。
この日は3部の合奏は後半から。プレリュード、よくなった。アダージェットも、ちょっと涙腺が危うくなるほどよくなった。ファランドール安定してきた。意外に苦戦したのが第一組曲のほうのメヌエット。これは次回集中してやりましょう・・・!

アダージェットのような曲を演奏するときに思うこと。この曲はテンポは遅いが実はすごく熱い曲なのであるが、音量記号が冒頭pと書いてあると、演奏者はパブロフの犬のように反射的にかなり抑え目で弾いて来る。

fやpは一般に強奏・弱奏と訳されるが、常にfは力強く、pは弱くやさしく、と言葉通りに演奏するのはどうか。何かの本で読んだが本来はその場は大きく・小さく、と言うかなり即物的な意味があるはずだ。 絶対的な音量の指定はないのだから、音量の変化はその曲の中の相対的な変化であり、その曲の最大音量と最小音量は大体決めておくべきだが、ステレオのボリュームを上げ下げするように音量変化を考えるのはどうかと思う。

音量の変化は音楽に劇的な変化と深みをもたらすが、この強奏・弱奏と言う言葉の持つ強迫観念がもたらしている弊害を考えると、もうイタリア語の音量記号は全部取っちゃって、「近い・遠い」「浅い・深い」「明るい・暗い」「濃い・薄い」「重い・軽い」「爆笑・微笑」「興奮・冷静」「甘く・しょっぱく」「芳香・悪臭」「エロい・まじめ」と音量(と変化の)指定を日本語で表記してはどうか?

音量変化は音量変化のための音量変化ではない。まずは譜面にある音量記号を取っちゃおう。
そして作曲者がなぜそこで音量を大きく・小さくしたいのかを考えたい。