初練習にむけて、新世界スコアリーディング中。いやあ、あらためてドヴォルザークって音楽史上まれにみるロマンチストである。平たく言うと猛烈にクサい。納豆やクサヤどころじゃない。シュールストレイミング並みである。
くさいというのが不適切なら、濃い。熱い。コテコテである。いまどき死語となった努力・友情・人類みな兄弟・一日一善という文字が脳裏を掠める。もっとわかりやすくいうなら都会の洗練などとは無縁のオス臭い六尺兄貴の世界である。本人の写真を見ても、猛烈なひげを生やした竹中直人みたいである。
自身が鉄道マニアであったせいかリズムに現代の8ビートに通ずるドライブ感があるし、この東欧人特有のメロディのセンスはツボである。それでいて、技巧的にチャイコフスキーほど理不尽に難しくないところが奏者には涙が出るほどありがたい。
かつて、わが音楽の師が「ドヴォルザークって良く聞くと全然関係ないメロディを強引につなげてるだけで変なんだよなあ・・・でもそこがまたいいんだ」といったっけ。ブラームスの崇高な憂鬱、チャイコの病的なデカダンの美、どれも好きだが、ドヴォルザークの理屈抜きの生命力・天然ものの泥臭いタレント性は一番自分にしっくり来るのである。
つまり僕が地で振れる曲であるといえる。今年もいい汁がドヴォドヴォ出そうだ。
初練習に期待!!