2007年5月21日

アブ・ノーマルテンションで行こう!

以前18年間使っている愛器のことを書いたが、今回は弦について。僕はどちらかというと音量重視派である。生音でホールで聞かせる以上、一定以上の音量は必須条件と考えている。汚い音は論外として、美しくて大きい音・・・ここが泣き所であるが。

そんなわけでこの18年間、オーガスチンの青を張り続けてきた。硬くて張りがかなり強く、マンドリンオケでも十分存在を主張できる音量、低音絃のキレのある立ち上がり、高音絃の輝かしく明るい響きが魅力である。
しかし、最近デュオや独奏をやるようになって、自分の音の粗さや当たり外れの多さが気になってきた。指に力を入れてガシガシ弾く癖がついているので、緊張が指先に伝わりやすく、ミストーンや音落ちが多いような気がするのだ。

そこでいろいろ調べてまず極端に張りの弱いハナバッハの黄を張ってみる。と、信じられないくらい柔らかく弾きやすい。特に低音はゆっくり響かせるようにしてあげれば、なかなかの音量である。
しかし、速い曲で伴奏などして見ると低音の発音の遅さに切歯扼腕!高音もペソペソして弾いた気にならない。この音は絶対自分の音じゃないと確信。
次に何を張るか?かつてジュネスで音質と音程をそろえるためにプロアルテを張らされたことがあるが、当時は物足りなくてすぐに青に戻した。
しかし人に聞いてもやはりプロアルテが無難か。この機会に絃の張力を本やHPで調べてみたのだが、結局詳細な値は出なかったもののオーガスチンの青は6本合計で約43キロくらいあるようだ。プロアルテノーマルは約39キロ。いかに張りの強い弦を使っていたかがわかる。

18年酷使した楽器をいたわる意味もこめてプロアルテノーマルを張ってみた。
音量は85%くらいになった感じだ。しかし元が出過ぎていたのだからこれは我慢する。低音はちょっと発音が遅く、高音も輝かしい感じはない。しかし全体にバランスがよく、品がある感じだ。

この弦を張って、デュオのミニコンサートの本番で試してみた。結果は・・・よかった。何しろ弾きやすい。左手への負担が少なく、楽に弾けるせいかミストーンや音落ちがほぼなかった。音程もよく、ホームランはないが三振もないといった感じである。

今後しばらくはプロアルテノーマルテンションを張ってみようとおもっている。しかし・・・バッカスの練習は別である。今年も熱過ぎる曲が並んでいる。バッカスに関してはクールなスタイルでいられない。
絃も頭の線もアブ・ノーマルテンションで行きたいものである。