2007年3月16日

究極のアンサンブルとは・・・

おくればせながら、たはごとがブログになりました。これからは日常のよしなしごとをさらに気軽につづっていくつもりです。

さて、家内とギタリストの金庸太さんとのデュオがすごい。これはたぶん金さんがすごいということだと思うのだが、家内も確実に影響され、金さんの音楽性を吸収している。

なにしろ初めて2人の練習を録ったMDをかけたとき、私は隣の部屋で寝ていたのだが飛び起きてしまった。音は間違いなく千明氏なのに、音楽がぶっ飛んでいる。金さんのギターも超一流。こんな組み合わせは聞いたことがない、と思った。

その後2人のデュオを2回聞いたのだが、いよいよ堂に入り、邑楽文化村で聞いたときは、1000人のホールの最後部座席でも、ある時は耳元に、ある時はブエノスアイレスから立体感のあるタンゴの歴史Ⅱ楽章が聞こえてきた。

それにしても今までにないこの音楽のドライブ感は何であろう・・・うまく説明できないが、千明氏も、そして僕も、「アンサンブル」とは相手と向かい合って、四つにがっしりと取っ組み合って作り上げるものという意識があり過ぎた気がする。だから音楽は合わせることに重点が置かれて手と足が自由にならず、相撲のように組み合ったまま音楽が動かなくなる。

しかし金さんと千明氏とのデュオは取っ組み合うのではなく、同じ方向を見ながら全力疾走している感じだ。両者自由な速さで走っているのだが、ゴールの瞬間は同じである。

2人とも相当のレベルの奏者だからこそできるのであろうが、合奏にも通じることがありそうな気がする。取っ組み合うのはいいのだが、みんなで同じゴールを見ていないと、やがて動きが止まってしまう・・・たとえば今年の展覧会、キエフの大門というゴールまで全員で一人も落伍することなく走れるかどうか・・・途中で取っ組み合いすぎて手前でスタミナ切れをしないようにしたい。

ちなみに2人の最新のリサイタルは・・・http://www16.ocn.ne.jp/~iguchi/